今回もあるか? 五輪後に欧州に旅立った日本人選手6人。欧州で成功を収めた新旧日本代表の主力たちも
MF:田中碧(たなか・あお) 生年月日:1998年9月10日 移籍先:川崎フロンターレ→フォルトゥナ・デュッセルドルフ(ドイツ) 移籍日:2021年6月28日(東京五輪前) 2021年に開催された東京五輪で全6試合に先発出場していた田中碧は、大会終了後の2021/22シーズンからドイツに渡ってプレーしている。 川崎フロンターレからフォルトゥナ・デュッセルドルフへの期限付き移籍が決定したのは、東京五輪が開幕する前の6月28日。田中は川崎フロンターレがJ1リーグを制した2020シーズンはリーグのベストイレブンに選出されるなど、Jリーグ屈指のMFという評価を受けており、これに目を付けていたデュッセルドルフが獲得に成功した。 田中のように五輪メンバー発表前の6月中に海外移籍が決まるケースでは、選手の五輪参加を移籍先クラブが認めないことが多いが、彼の場合はクラブが日本サッカー協会と話し合い、9月のA代表招集を見送る条件で東京五輪出場が決定。日本で6試合に出場してからデュッセルドルフへと合流した。 現在もデュッセルドルフでプレーしている田中は、2023/24シーズンは移籍後最高のパフォーマンスを披露している。ブンデスリーガ1部のVfLボーフムとの昇降格プレーオフには惜しくも敗れてしまったが、ブンデスリーガまであと一歩のところに迫った。今シーズンはSVダルムシュタット98との開幕戦で快勝。自身初のブンデスリーガ昇格に向けて最高のスタートを切ったところだ。
DF:酒井宏樹(さかい・ひろき) 生年月日:1990年4月12日 移籍先:柏レイソル→ハノーファー96(ドイツ) 移籍日:2012年6月13日(ロンドン五輪前) 2012年に開催されたロンドン五輪でU-23日本代表は世界を驚かせる金星を挙げた。後にA代表でも主力になるダビド・デ・ヘアやジョルディ・アルバ、フアン・マタ(OA枠)、コケ、イスコらを擁するU-23スペイン代表に初戦で勝利したのだ。 そのメンバーの一人である酒井宏樹はロンドン五輪のメンバーが発表される6月13日にブンデスリーガへ昇格したばかりのハノーファー96への移籍が発表されていた。身長185cmの酒井は柏レイソルのトップチームに昇格してから主力として活躍しており、U-23日本代表での活動も含めてドイツのクラブから高い評価を受けていた。 酒井はU-23スペイン代表との初戦で左足首を捻挫してしまい怪我の具合が心配されたが、大会期間中に復帰。予定通り五輪後にハノーファーへと合流したが、ドイツ1年目は9位と躍進したクラブとは対照的に不安定なパフォーマンスが多かった。それでもシーズン最終盤はアピールに成功してレギュラー座を掴んでいる。 その後の酒井の活躍を覚えている人は多いだろう。クラブではフランスのオリンピック・マルセイユへと移籍してから対人守備に磨きがかかり、2018/19シーズンにはファンが選出するクラブの年間最優秀選手賞を受賞。日本代表でも主力へと定着し、2014年大会から3大会続けてFIFAワールドカップ(W杯)のメンバーに名を連ねた。