阪神・藤川新監督は岡田前監督より厳しい? 梅野、青柳、木浪が「背水の陣」に
各球団がチーム再建に向けて動き出すなか、打倒・巨人で来季のV奪回を目指すのが阪神だ。2021年から阪神のスペシャルアシスタント(SA、23年から球団本部付SA)を務めていた藤川球児新監督が就任。現役時代から取材していたスポーツ紙デスクは、藤川監督についてこう語る。 【写真】かつて西武の中心選手として女性人気を集めたこの選手も戦力外 「視野が広く、リーダー気質ですね。現役時代は阪神だけでなく、メジャーリーグのほか、自らの意思で独立リーグでプレーしたのでいろいろな引き出しを持っている。岡田彰布前監督がメディアを通じて、選手に苦言を呈した時に大きく取り上げられていましたが、岡田前監督は厳しく接しても起用し続けていた。藤川監督のほうが厳しいし、選手間の競争がシビアになると思います。結果を出さなければ、実績ある選手でも淘汰されていく。メジャーでは当たり前の世界ですが、阪神も生存競争が激しくなるでしょう」 ■至極まっとう 藤川監督は就任会見で最も強化すべきポイントについて聞かれ、以下のように語っている。 「非常に難しいんですけど、ベテランと言われる選手。僕もベテランの時期を過ごしました。その中で僕たちが現役を引退して、いよいよ、優勝はしました。勝てば勝つほどプレッシャーが高くなり、求められる責任感というのが大きくなります。ただ必要なのは力です。力が必要なのは間違いないです。プレーヤー個人の力がなくてベテランっていうのは、僕は必要ないです」 この発言はメディア各紙で大きく取り上げられたが、阪神OBは「藤川監督の発言は至極まっとうだと思います」と指摘した上で続けた。
「中堅、ベテランの選手たちは高額の年俸を受け取り、それに見合う貢献度が求められる。グラウンド上で力を示さなければチームにプラスにならないですから。決してドライな言葉ではなく、『力はあるんだから結果を示してね』という藤川監督のメッセージだと思います。特に梅野隆太郎、青柳晃洋、木浪聖也らは自分自身の立ち位置を理解しているでしょう。青柳はクレバーな投手なので発奮材料にするはずです」 ■安定の野球 阪神の正捕手を務めてきた梅野だが、今季は配球面でやり玉に挙げられる機会が少なくなかった。先発マスクをかぶったCSファーストステージ第2戦・DeNA戦では3-10の大敗。先発の高橋遥人が二回、相手打線に初球をことごとく打たれて4点を失うと、三回から梅野が退き、坂本誠志郎に交代した。捕手陣は梅野、坂本を併用する形を続けていたが、今年の成績に限って言えば共に攻守で満足できる水準のパフォーマンスではなかった。捕手は経験がモノをいうポジションであることは間違いないが、新戦力の台頭はチーム力を引き上げる。強肩強打で「近未来の正捕手」の呼び声が高い中川勇斗、24年ドラフト4位の町田隼乙(独立リーグ・埼玉武蔵)が競争に割って入れるか。 藤川監督は目指す野球像について、「3点ほど取ったらゲームをきっちり終わらせてくれる。安定の野球です。僕もそこは一番ベースになります。面白みがある野球ではなくて、スルッと気づけばゲームが終わっているというのも狙いです。そういうゲームって後ろからいくリリーバーが出やすいんですよ。ゲームの流れのよどみをつくらないようなゲーム展開にしたいというのはありますから」と語っている。守り勝つ野球を標榜する上で、投手力が生命線になる。