「ルイ・ヴィトン」がパリ五輪のメダルトレーをデザイン LVMHはメダル授与ボランティアの制服手掛ける
ポロシャツとキャップに採用したのは、LVMH擁するさまざまなブランドから出たジャージー素材の端切れ。Bコープ認定企業であるフランスのスタートアップ企業、ウィーターン(Weturn)がアップサイクルした。ポロシャツはフランスのヴォージュ地方で家族経営のデュヴァル(Duval)社によって作られ、キャップはイタリアで製造されている。
再生ポリエステルを使用したポリウール混紡生地のパンツは、「ラ ファブリック ノマド(LA FABRIQUE NOMADE)」が製作した。「ラ ファブリック ノマド」はフランスの難民職人の統合を支援する非営利団体。メダル・ベアラーたちはユニホームを持ち帰ることができ、「フェンティ ビューティー(FENTY BEAUTY)」のセットも贈呈される。
「ルイ・ヴィトン」の伝統的なトランク作りをほうふつとさせるメダルトレーは、メゾンのレザーグッズ工房のひとつで職人たちが製作した。外側は市松模様のキャンバス地で覆われ、内側はマットなブラック・レザーで裏打ちされている。軽量を目指して作った各トレーには、2枚から6枚のメダルが収納可能だ。
その他、LVMH傘下ではジュエラーの「ショーメ(CHAUMET)」が制作したメダル、「ベルルッティ(BERLUTI)」がデザインしたフランス代表の開会式用ユニホーム、「ルイ・ヴィトン」が制作したメダルとトーチを収納するトランクが発表されている。
“勝利は「ルイ・ヴィトン」に宿る”と表現されるように、同ブランドはNBAやアメリカズカップ、FIFAワールドカップ、ラグビーワールドカップ、ローラン・ギャロス・テニストーナメント、F1モナコグランプリのトロフィーケースを製作するなど、スポーツ業界とのコラボレーションを数多く手掛けてきた。
24年パリ・オリンピックのスタイリングとコスチューム・ディレクターを務めるダフネ・ビュルキ(Daphne Burki)はセーヌ川で開催される開会式での衣装を「ディオール(DIOR)」と「ルイ・ヴィトン」がデザインすると明らかにした。「『ディオール』は開会式で務めを果たすだろう。『ルイ・ヴィトン』の参加にも大いに期待している」とアルノー氏。「開会式のクリエイティブ・パートナーとしてだけでなく、競技を含むイベント全体に貢献したい。そして逆説的ではあるが、非常に控えめで、非常に目立つ存在となる。このトレーは美しく、『ルイ・ヴィトン』らしいと思う」と続けて語った。