食事と一緒に「口の中の細菌」を流し込んでいる…ハミガキ、フロスに「あと1つ」加えたい「おくち美化」のひと手間
■自宅のハミガキだけでは限界がある 毎日しっかりハミガキをしているつもりでも、歯と歯ぐきの間や、歯と歯の間に磨き残しは生じます。磨き残しによるプラークは、口の中のカルシウムと結合することで石灰化して硬い歯石になり、ハミガキでは取り除くことができなくなります。 歯石は歯周病菌などの温床で、放っておくと歯周病菌の毒素で歯ぐきの腫れや出血といった症状が起こり、歯周ポケットが深くなってさらに歯周病が進行します。それを防ぐには、定期的に歯石や歯垢の除去を歯科医院で行ってもらうことが大切になります。同時に、口の状態に合わせたハミガキ指導も受けることができます。 ■毎日のセルフケアと、数カ月に1回のプロケア 毎日ハミガキをして歯間ブラシや舌ブラシを使うなど、セルフケアに時間がかかると面倒に感じることがあるでしょう。 定期的な歯科医院でのプロフェッショナルケア(プロケア)を受けるようになって、「歯科で歯石をとってもらうから」とセルフケアをおろそかにしてしまう人がいます。しかし、セルフケアを怠ると、歯と歯ぐきの隙間などに歯石がたまり、それらはハミガキで取り除くことができないため、口の衛生環境が悪化します。 一般的に歯科医院の歯石除去のメンテナンスは、4カ月~半年に1回ですのでプロケアだけを頼りにすると口の環境は悪化します。セルフケアを日々しっかり行った上でプロケアを活用するのが基本です。ハミガキのコツなどもプロケアで教わることで、日々のセルフケアを効率的に行えるようにすることも可能です。 ---------- 栗原 毅(くりはら・たけし) 医師 1951年新潟県生まれ。北里大学医学部卒業。東京女子医科大学で消化器内科学、特に肝臓病学を専攻し、同教授を歴任、2007年より慶應義塾大学教授。2008年に消化器病、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病の予防と治療を目的とした「栗原クリニック東京・日本橋」を開院。『1週間で勝手に痩せていく体になるすごい方法』(日本文芸社)など著書多数。 ---------- ---------- 栗原 丈徳(くりはら・たけのり) 歯科医師 1982年、東京都生まれ。鶴見大学歯学部卒業。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科中退。栗原ヘルスケア研究所所長・歯科医師。「予防歯科」「食と健康」をテーマに活動をしている。とくに「口の健康と全身疾患との関連性」に興味を示す。大学や介護施設などで講演も行っている。日本抗加齢医学会、日本咀嚼学会、日本摂食嚥下リハビリテーション学会会員。 ----------
医師 栗原 毅、歯科医師 栗原 丈徳