【競輪コラム】中野慎詞と山崎歩夢 新たな世代が登場した北日本勢が活気づく
今年ラストG1となる競輪祭の開幕が19日と迫った。男子、ガールズともにグランプリ出場権へ向けて、獲得賞金上位を目指すバトルは最後までもつれそうだ。 男子で有利になったのが新山響平。競輪祭前、最後の記念となった10日の四日市でV。7位へと浮上した。22年競輪祭以来の優勝。最高のムードで大一番に挑む。 四日市記念のシリーズ全体を通して目立ったのが中野慎詞の強さだった。決勝戦は主導権を握り、新山のVに貢献。それ以上に勝ち上がり段階での走りが際立っていた。 パリ五輪のケイリンで決勝に進出。落車したが、世界の舞台で互角に戦える実力を証明した。ケガから復帰した函館F1で完全V、そして四日市での活躍。五輪前よりも実力はアップしている。 「鉄の(競輪用)フレームで練習して、競輪選手になった感じです。ずっと走りたかったので、うれしさの方が大きい。状態も日に日に上がっています」 これまでの競技主体の選手とは違い、しっかり競輪の走りができて、ラインでの決着が多いのが強み。年内は競輪祭、大垣記念、ヤンググランプリの出場が決まっている。 競輪祭では中野自身の決勝進出も期待できるだろうし、中野が先頭となる北日本勢の上位進出も見えてくる。 もう一つ、四日市記念では最終日に125期による「ルーキーシリーズ2024プラス」が単発レースで行われた。勝ったのは山崎歩夢(あゆむ)。 父はG1を9Vの山崎芳仁。練習では10秒台を連発するなど抜群の素質を見せていた歩夢だが、勝負強さも受け継いでいる。 まだ19歳、伸びしろは無限大でS級特進も狙える。近年は他地区に押されていた北日本勢だが中野、そして山崎歩の登場で大いに盛り上がることは必至だ。(緒方 泰士)