“はやった”っていう自覚がない、真ん中にいたこともない――back numberが語る「サブスクに向けていない音楽」
しっかり者(清水いわく「一番細かい」)の小島は、バンド内の「データ担当兼思い出係」。直観型の栗原は、絶妙なバランサーだ。 小島「3人がいいバランスの中でやっていて、そこをまたカバーしてくれるスタッフがいる。俺らだけ、3人でやっていたらダメだった部分も多いと思いますし」
プライベートでも付き合う仲だ。一緒にライブを見にいったりもするという。 栗原「オン、オフもないような感じで、四六時中一緒にいるんで。だからスタジオで曲作りをしている時でも、プライベートの話をしますし。いただきものが多くあるから、ちょっと持ってくとか、そういうご近所付き合いみたいなものもあります」
チャートでクマムシに負けても紅白出場
このインタビューが行われたのは昨年末。満を持しての紅白初出場を間近に控え、3人は感慨深げに顔を見合わせていた。 大みそか、紅白当日。朝ドラの主題歌「アイラブユー」を歌った後、「もう一曲やらせてください!」と叫んだ清水。3人がところどころ目線を合わせる様子は、どこか初々しさすら感じさせる。続けて演奏されたのは2013年リリースのヒット曲「高嶺の花子さん」で、「嬉しいサプライズ」とネットも大いに沸いた。 今年は早々から、5大ドームツアーもスタート。これだけ人気が確立されたバンドであっても、やはり紅白には特別な思いを持つものなのか。ずっと待望されてきた背景から、「そろそろ出てあげようか」という意識はなかったのか。
清水「いやいや、まさか(笑)。そもそも僕たち、“はやった”っていう自覚がないんですよ。ナンバーワンヒットとか、そういう体験がないですから。時代の中心という位置に立ったことがない。だから前のドームでのライブの時も、『一度もトップチャートに入ることなくここに立ちました』みたいな感覚で。常に、その時々に、別のヒット曲がある。だって『ヒロイン』も、ランキングはクマムシに負けましたからね」 栗原「あったかいんだからあ♪」 小島「それ(笑)」 清水「イエモン(THE YELLOW MONKEY)が渾身の『SO YOUNG』って曲を出した時、『だんご3兄弟』に負けた以来の衝撃です、これ本人(吉井和哉)談(笑)。僕らの曲というのは、たとえば『クリスマスソング』とか『HAPPY BIRTHDAY』とか、結果的にいろんな場面で印象づけられたと思うんですけど、ど真ん中ではないんですよ、実は。ずーっと真ん中は代わる代わるいろんな人たちが埋めていて、その横にずっといる、という」