教職員不祥事止まらず 福島県教委 校長ら9人懲戒 公金不適切処理、手当詐取
福島県教委は22日、教職員9人の懲戒処分を発表した。超過勤務手当約120万円を詐取したとみて、相双教育事務所の男性主任主査を免職。公金の不適切処理をしたとして当時教頭だった50代男性校長を減給、この元教頭の不適切処理を隠蔽(いんぺい)したとされる校長を停職1カ月とした。今年度の懲戒処分は19件で、前年同期を10件上回った。県教委は止まらない不祥事に危機感を募らせ、職員一人一人の意識改善に向けた再発防止策に取り組む。 教職員9人と不祥事の主な内容は以下の通り。 相双教育事務所の高野宏樹主任主査(51)は2023(令和5)年4月から今年8月にかけ、虚偽の超過勤務申請を160回行い、出勤退庁簿を改ざんして計269時間分の超過勤務手当107万2369円をだまし取ったという。相双建設事務所に勤務していた2021年4月から2022年10月にかけ、虚偽の申請を47回繰り返し、計31時間分の超過勤務手当12万886円を詐取したとされる。
上司が警備員の管理する最終退庁記録と照らし合わせたところ、虚偽申請が疑われた。高野主任主査は「警備員の記録に間違いがある」と主張したが、手当の返金に応じた。14日に全額を返納した。 県中地区の50代男性校長は、2021年度から2023年度に教頭として勤務した小学校で、不適切な公金処理によって使途不明金10万6195円を生じさせたという。 文房具や切手などを購入した際、領収書の保管や出納簿の記録を怠り、使途不明金となった。公金は金融機関の口座で管理すべきだったが、現金のまま保管していた。 発覚を恐れた当時上司だった50代校長が、自費で使途不明分の金額に相当する物品を購入し、市町村教委に虚偽を報告した。 この他、入浴中の女性を盗撮しようとしたとされる、ふたば未来学園中の佐藤弘章教諭(32)=性的姿態撮影処罰法違反などの罪で起訴=を免職にした。 ◆教職員9人と不祥事の主な内容