「まさか続きが読めるなんて…」人が家畜の《ニンゲン農場》を描く衝撃の“グルメ”ホラー『動物人間』。著者が参考にした料理人の知人の話《インタビュー》
――これまでの作品で描かれてきた動物たちとは異なり、本作に登場する動物人間は表情も読めず、非常に不気味な存在です。 岡田:そこは意識していました。これまではデフォルメしていたんですが、今回はよりリアルな動物として描写しようと。だからあらためて動物図鑑なども見ながら描いていったんです。表情がわからなくて不気味だと思ってもらえたなら、それは狙い通りですね。 ――第1巻の冒頭では、「人間が食料になる」という衝撃の展開が描かれています。とても攻めた内容ですが、そこに不安などはなかったですか? 岡田:特になかったんですよ。むしろ、より残酷な描写を追求しよう、みたいな感覚がありました。本作はあくまでもエンタメなので、ホラーとしてどこまで怖がってもらえるのかを常に考えています。 なので、強いメッセージ性も特にはないんです。「動物を食べるのを止めて、ヴィーガンになろう」といったことも考えていないですし、何ならぼくは肉も美味しくいただいています。ただ、人間たちが動物人間に殺されているところを描くうえで、勝手に何かを投げかけている部分はあるかもしれません。とはいえ、繰り返しになりますが、あくまでもエンタメ作品としてどう面白がってもらえるかを強く意識しています。
料理人の知人に訊いた、「人間の調理法」が作品のアイデアに
――第1巻では動物人間たちのファームに迷い込んでしまった人間の父と娘が、恐ろしい事態に巻き込まれていく顛末が描かれました。「強者が弱者の肉を食う」という世界の理を下敷きに容赦ない展開が繰り広げられ、かすかな余韻をもって終わる。そして今回、第2巻が出て、まさか続きがあったのか! と非常に驚きました。
岡田:実は続きを描けるかどうかは反響次第だったんです。なので、1巻にギュッと情報量を詰め込んで、濃厚な読後感を心がけました。そうしたら思いがけずたくさん反響をいただいたので続きを描くことになったんですよ。 とはいえ、1巻だけでも完結して楽しめることを意識していたので、その続きはどうしようか……と悩みましたね。結果、1巻にも登場する羊の少女をとっかかりに復讐劇のようなものにできるのではないか、と思いつきました。