与野党対立が戒厳令にまで突き進んでしまう韓国、その国民性を象徴していた女子大の共学化反対デモ
■ 「韓国ドラマを見ても、誰かのせいにして逃げることが多い」 同徳女子大の学生たちは、自分たちの行動に対して責任がついて回るということを考えられなかったのだろうか。おそらく彼女たちにとっては、悪いのは相手側なのだから自分たちは何をしてもいいという考え方なのだろう。 そして、自分たちの意見「共学転換撤回」が正義で、それを通すことが民主主義だと思っている。大学を構成しているのは自分たちなのだから、運営に自分たちを入れろと主張しているのだ。 韓国人は事件が起こった時に、責任の所在を明らかにするということができない。歴史を見ても、韓国ドラマを見ても、誰かのせいにして逃げることが多く、基本的に無責任な民族だと感じる。 そういう民族が民主主義を叫ぶと、国家も必然的に無責任になる。これはもう、韓国で起こるすべての問題につながっているので、仕方がないことなのだ。 民主主義をはき違えている学生たちとの対話に辟易した学校側は、校内の防犯カメラの映像を解析し、デモ主導した学生を告訴した。12月2日の時点で19人が特定され、捜査が始まったと報道されている。 同徳女子大の構内には300を超える防犯カメラがある。数年前に全裸の男が構内で一人淫乱行為に及ぶという衝撃的な事件が起こったために、設置されたものである。 女子大のど真ん中に全裸の男が出現するだけでも、かなりショッキングである。当時の彼女たちの恐怖心は想像するに余りあるが、このような事件が「男性嫌悪」を引き出し、男性を敵対視する過激なフェミニズムを出現させているのかもしれない。 大学本館の入り口には、「消滅しても開放はしない」という、垂れ幕が建物の上から垂れ下がっている。 このような韓国人の考え方が、12月3日の夜に突如として起こった「非常戒厳令発令」という極端な事件につながっていったように感じている。 尹錫悦大統領は、野党が大統領弾劾を試みていること、国会がマヒ状態にあることなどを理由として「非常戒厳」を宣言した。韓国で戒厳令が出されるのは民主化運動がピークに達した1980年以来、44年ぶりだそうだ。平和に暮らしている我が家にとっては「いつの話だよ」のレベルである。 韓国市民も「一体何事ですか?」と思った今回の戒厳令は、翌日12月4日未明に国会で解除を求める決議案が可決され、6時間ほどであっけなく終わった。 現在の韓国の国会は、いわゆるねじれ状態で野党が過半数を占めているので、野党議員が反対すれば当然こうなる。そして、この国会議員を真夜中に招集したのは、他でもない野党「共に民主党」の李在明代表である。 彼の詳細については今回は割愛するが、やはり彼が「次期大統領に一番近い男」であり、現在もこの前科4犯の男がこの国を動かしていると言っても過言ではない。 これを機に尹大統領は急速に力を失い、野党は弾劾運動を進めてくるだろう。朴槿恵大統領が弾劾されたあの悪夢が再びやって来る。 立花 志音(たちばなしおん) 1977年生まれ 東洋英和女学院大学短期大学部キリスト教思想科卒業後、損保勤務を経てソウルに留学。2005年韓国で出会いの夫と結婚。現在2男1女を育てながら日本人が見る韓国をライターとして韓国内で活動中。
立花 志音