92歳現役看護師が教える「忙しそうな医師や看護師との付き合い方」。話しかけにくくとも知りたいことはなんでも聞くべき
◆あの患者さんはうるさいと思われるくらいでちょうどいい あるいは、最近はスマホの録音機能もありますから、それを利用するのもいいでしょう。「先生、私、忘れっぽいから、録音していいですか?」と言えば、医師は内心は嫌でしょうが、NOとは言いません。自分の言ったことに責任ももつようになりますから、この方法はいいですね。 患者さんは、自分のことなので、質問しにくいものです。ですから、気になることは、やはり家族が聞いてあげるべきでしょう。あらかじめ質問を書いていくと、落ち着いて聞くことができます。そういう努力は、必要だと思います。 私は看護師たちに「とにかく患者さんや家族から話を聞きなさい」と教えてきました。忙しそうにしているから話しかけにくいと思いますが、知りたいことはなんでも聞くべきです。うるさがられるほど聞いていい。「あの患者さんはうるさい」と思われるくらいのほうが、しっかり面倒をみてくれます。 あなたの大事な命なのです。医師や看護師の顔色など気にすることはありません。聞きたいことはどんどん聞きましょう。ちょっとした不安や不満もつみ重なると、体には大きなダメージとなりますから。 ただし、看護師の立場から、ひとつだけ言わせてもらうと、地位を利用する人は困ります。「国会議員だぞ」とか「どこぞの社長だったんだぞ」などなど。本人はそうでもないのに、家族が言う場合もあります。 申し訳ないのですが、「それがどうしたのですか」と言いたくもなります。こちらは病気が重かったり、症状が悪ければ、慎重にしますし、時間もかけます。地位やお金で動くわけではありませんので、そこは知っておいてほしいと思います。
◆医師に遠慮は不要です。「NO」と伝えるべきです 処方薬は、その医師の好みも反映されます。医師は、自分でその薬を試したわけではなく、「その薬がいい」と信じて処方してくださるのです。たとえは悪いですが、その店の料理を食べたこともないのに、他人の評価で「ここはおいしいよ」と言っているようなものです。 ですから、服用するご本人が能動的でなければならないのです。副作用があったり、効き目が悪いと感じたなら、しっかりと伝える。「先生、この薬は効きませんよ」とか「私には合わないみたいです」と、はっきり言わないと、医師もわかりませんから。 それで医師がムッとしたり、「それでも飲み続けなさい」と聞く耳をもたないようなら、そんな病院は見限ってしまいましょう。ろくなお医者さんではありませんから。 体は一人一人違うので、薬の効き目も違って当然です。同じ症状でも、Aさんには合う薬が、Bさんには合わないこともあります。それを感じられるのは、実は患者さん自身でしかありません。 「先生に悪いから」と遠慮して、我慢してしまう人がいますが、それは間違いです。自分の生命を預けているわけですから。おかしいと思っているのに言わないのは、あなたの生命を放棄していることです。腑に落ちないのなら、納得いくまで聞いていいのです。 とにかく、患者さんの話に耳を傾け、しっかりと説明してくれる医師を選ぶ。医者選びの秘訣は、この一点に尽きます。
【関連記事】
- 92歳現役看護師 病院も世間も「あれもこれもダメ」と禁止事項が多い今、患者を前向きにするには…健康指導の第一人者公認の<生命力や治る力を引き出す方法>
- 92歳現役看護師 難病でお風呂に入れない9歳の女の子の全身を拭いてあげたら意外な反応が…幼い人生を閉じた彼女から学んだこと
- 物忘れが進む老親を田舎から呼び寄せるのは正解なのか…92歳現役看護師「何かを変える場合は急にではなく、徐々にやることが大事」
- 樋口恵子 77歳の時に大手術を受け、リハビリでかけられた言葉に思わず涙が…ずいぶん反対もあるなか「介護保険を作れ!」と最後まで旗を振り続けて本当によかった
- 起床後1時間以内のタンパク質摂取で、筋肉が衰えるのを防ぐ。朝に食べることで吸収率がアップする食材とは?