「こういう付録、本当に大事」4~6歳向け雑誌に〝AED〟 「音声ガイド」も! 親子一緒に遊んで学ぶ
ふろくでは珍しい〝30秒〟の音声
街にあるAEDは、ふたを開けたり、電源を入れたりすると音声ガイダンスが流れ、パッドを貼る位置や心電図の解析、電気ショックのボタンを押すタイミングなど使い方を示してくれます。 このふろくには、その音声を最大のポイントとして盛り込みました。「使い方を知らなくても音声で教えてくれるから、とにかく使うという選択肢を持っておいてほしい」と、メーカーの日本光電も強く願っているそうです。 「パッドを青いシートからはがして、図のように右胸と左脇腹に貼ってください」 「点滅ボタンをしっかりと押してください」 「電気ショックを行いました」 「ただちに胸骨圧迫を始めてください」 ふろくのスイッチを押すと、ガイダンスが30秒間、流れます。実際の音よりは短い時間ですが、音声機能を付けたふろくとしては30秒の長さは珍しいそうです。 「AEDの実際のガイダンスは音量も大きく、初めて聞くと焦るかもしれません。でも、幼い頃から聞いていると慣れますし、いざというときにパニックになるポイントを減らせることが重要だと思います」と今村さんはいいます。 音声の合間には「プップップップッ」という機械音も聞こえますが、この音は胸骨圧迫をするリズムを表しているそうです。 「音声の速度は本物と同じですが、ふろくのほうは子どもが行動に移せるタイミングにこだわって音声を編集しました」
9月9日「救急の日」に合わせて
「幼稚園」ではこれまでも公衆電話やATM、セルフレジなど、街中で子どもが触ってみたいと興味を持つものや、子どもに使い方を知ってもらいたいものをふろくとして出してきました。 今村さんによると、AEDを企画したのは2024年に入ってから。もともと編集部会議でふろくのテーマとして上がっていましたが、日本光電の協力を得て、9月9日の「救急の日」に合わせて発売することになったそうです。 6月に発売を告知すると、SNSでは「こういう付録、本当に大事」「かあちゃん頑張って作るよ」「大人も一回買って触ってみてもいいんじゃないかな」と注目されました。 ちょうど2024年は、市民がAEDを使えるようになって20年のタイミングでもあります。 今村さんは自動車教習所や大学の授業でAEDの講習を受けたことがありましたが、編集部内で話していた際、AEDに触れたことがない部員もいることを知りました。 「市民が使えるようになって20年なので、世代によってはAEDに触れたことがない人もいるのかもしれません。いま親になっている世代も、使い方を知らない人がいるのではないかと思いました」