「成功する子ども」と「落ちこぼれる子ども」を見抜くたった1つの質問とは?
主な項目に対する回答は、以下の通りであった。 「忍耐力のない子が増えていると思う」86% 「協調性のない子が増えていると思う」80% 「友だちとうまく遊べない子が増えていると思う」76% 「わがままな子が増えていると思う」75% 「きちんとしつけられていない子が増えていると思う」75% 「傷つきやすい子が増えていると思う」75% 「頑張れない子が増えていると思う」61% こうしたデータをみると、日々子どもたちの相手をしている人たちのほとんどが、忍耐力や協調性が乏しい子どもたちが増えていると感じていることがわかる。 このことは、非認知能力を身につけないまま大人になっていく子どもたちがいかに多いかを物語っているが、それは本人のせいではなく生育環境のせいなので、子どもたちが自分の気持ちや行動のコントロール力を身につけていけるような生育環境にもっていくことが必要であろう。 ● 学力向上と社会適応の ために非認知能力が必要 ここで非認知能力について、簡単に解説しておくことにしたい。 このところ教育現場でも非認知能力の重要性が認識され、学力を高めるには、ただ勉強をするだけでなく非認知能力を高める必要があるとみなされつつある。だが、学力向上のためだけでなく、社会適応のためにも非認知能力を高めることは大切となる。
非認知能力というのは、自分を動機づける能力、長期的な視野で行動する能力、自分を信じる能力、他者を信頼する能力、自分の感情をコントロールする能力などである。 これらは、心理学者ゴールマンの翻訳書によって広まったEQ(心理学の世界ではEI=情動的知性というが、IQとの対比で一般にはEQと呼ばれている。心の知能指数などともいわれる)に相当するものといえる。ゴールマンは、人生で成功するかどうかは、心の知能指数、つまりEQによって決まるという。 そして、EQは、生後のしつけや教育によって高めていけるのだという。実際、その後の心理学の研究によって、非認知能力はトレーニングによって高められることが実証されている。子どものしつけや教育の中で、忍耐力や粘り強さ、共感性などを身につけさせることが大事だとされてきたが、それらはこのEQに相当するものといえる。 そして、心理学の多くの研究によって、EQが高い方が、ストレス対処能力が高く、学業成績が高く、職業的成功度が高く、社会適応が良く、人生の幸福感が高いことなどが証明されている。