Amazon、物流など神奈川県で8300億円超を投資
アマゾンジャパンは8月20日、複数の物流拠点を構える神奈川県における働く機会の創出効果などについて試算を発表した。2023年に1500億円以上を投資し、神奈川県で創出した間接的な働く機会は2万6000にのぼる試算という。
アマゾンジャパンは神奈川県内に現在5つのフルフィルメントセンター(FC)を構える。2013年に小田原に1拠点、2016年には川崎に2拠点、相模原には2022年に1拠点、2024年に新たにもう1拠点を設立した。FCやデリバリーステーションといったアマゾンの物流インフラ整備の設備投資、働く人の給与など事業運営費として神奈川県に13年間で8300億円以上を投資しているという。 こうした取り組みは地域経済へ波及効果をもたらしているとし、米国の経済・戦略コンサルティング会社であるKeystone Strategy(キーストーン・ストラテジー)の試算によると、アマゾンの投資により2023年は神奈川県内のアマゾン施設の建設に携わる建設業、輸送業、エンジニアリング、維持・管理会社など間接的な働く機会を2万6000以上創出。2013年の小田原FC開設時と比べ6倍の雇用創出効果になるという。 アマゾンは神奈川県内に構えるFCは「重要な役割を果たしている」(同社)と説明。2024年4月に設立した「Amazon相模湖FC」は延べ床面積が約15万平方メートル(東京ドーム約3個分)、商品保管容量は約150万立方フィート、国内最大の「Amazon Robotics(アマゾンロボティクス)」導入FCとなっている。 ロボットが商品棚を持ち上げて移動する「Amazon Robotics」は、自動走行ロボット「Drive」が専用の商品棚「Pod(ポッド)」の下に入り込み、棚を持ち上げて移動する仕組み。商品棚を働く人のもとへ運ぶことで、商品の棚入れや注文に応じた商品の棚出しにかかる時間を短縮する。棚の格納の省スペース化ができ従来より最大約40%多くの在庫を保管、迅速な配送に対応する商品の品揃えを増やすことができる。同FCでは、IT、人事、エンジニアリングなどの高度な知識やスキルを要する職種から、エントリーレベルの職種まで多様な働く機会を提供しているという。 2022年に開設した「Amazon相模原FC」には自然災害の被災地へ支援物資を届けるための拠点「Disaster Relief Hub」を設置。日本では2拠点目となる。モバイルバッテリーや衛生用品など約50種類、約1万5000点の災害支援物資を揃え、計画的に保管している。 神奈川県内でアマゾンに出品する事業者数は9000社以上。2023年は県内の出品者が数千万点以上の商品を販売し、その販売個数は前年比で10%以上増加したという。県内の販売事業者の例として、箱根丸山物産によるアマゾンサービス活用事例の動画をYouTubeで公開している。