「早朝や週末に勉強時間を確保」はやめたほうがいい…日常生活に「滞り」が生じ大損必至のNG時間術
■学生たちの悩みの多くは滞りが原因 本論に入る前に、自己紹介も兼ねて、時間管理に関わる私の話をいくつかお伝えしたいと思います。 私の専門は「物流・ロジスティクス」になりますが、大学では研究室を運営していることから、学生の相談に乗ることも少なくありません。 また、物流関連の企業などと共同研究をしたり、勉強会を開催したり、懇親会などに参加することも多いので、自然と社会人と知り合う機会も増えることになります。 そうした学生や社会人が私を頼ってアドバイスを求めてきたり、私のほうからある種の義務感や責任感を感じたりして、「……したらどうかな」というかたちで相談に乗るようになりました。 ただし、私は物流の専門家なので、学生のためにもゼミのOBや社会人の方のためにもなるのではないかと考えて、物流の視点からの例えを入れながらのアドバイスをしてきました。 すると、自分でも「意外だったが確かにその通りなんだな」と思ったことがありました。それは「物流の視点からのアドバイスは、人の悩みの滞りをなくす共通点が多い」ということです。 実際、学生・社会人を問わず、悩みのほとんどは「滞りをなくす」という視点から物流のセオリーを当てはめていくと、解決できることがわかったのです。 ■全体最適を実現するキモとなるのが「滞り」 学生や社会人の悩みにはさまざまなものがありますが、真面目で向上心のある方の悩みは得てして、「どうすれば自分の時間を確保しつつ、キャリアプランを充実させてキャリアアップをはかっていけるか」ということに行き着くように思えます。 もちろん、その悩みの背景に、各自のバックグラウンドが深く関わってきます。 たとえば、学生の場合、「就活と大学の勉強を両立させるにはどうすればよいだろうか」「大学の勉強と並行させて、資格試験に合格するためにはどんな工夫をすればよいか」といった内容がかなりのウエイトを占めています。 そうした学生の多くはちょっとした「制約条件」(つまずき)に振り回されて、先の言葉でいえば全体最適ができなくなっているのです。 したがって、私としては、「どのようにすれば全体最適に導けるか」という視点で相談に乗ることにしています。わかりやすくいえば、全体最適を実現するキモとなるのが「滞り」をなくすということになるわけです。