【解説】プーチン大統領、24年ぶり訪朝 ロシアと北朝鮮、それぞれの思惑は?
■中国ではなく、なぜロシアとの関係強化?
森キャスター 「ただ、北朝鮮と友好関係を結んでいる国というと、中国というイメージを持つ方も多いと思いますが、今回はなぜ中国ではなくて、ロシアとの関係強化を決めたのでしょうか?」 NNNソウル支局長 横田明記者 「これには対アメリカという視点が関係しています。中国はアメリカと貿易などをめぐって対立している中、目立つ形で北朝鮮を支援することで火種をさらに増やしたくない状況にあります」 「そこで北朝鮮が目をつけたのがロシアです。ロシアはアメリカと対抗する姿勢を崩してなく、こうしたことから、いわば両者の思惑が一致する形で関係の強化に至っているものとみられます」
■韓国側の受け止めは?
森キャスター 「そこにはアメリカの存在があったということですが、アメリカと友好関係を結んでいるのが韓国です。韓国側は今回の訪問をどう受け止めてるんでしょうか?」 NNNソウル支局長 横田明記者 「韓国は、ロシアと北朝鮮の接近を非常に警戒しています。特に警戒しているのが有事の際に互いが自動介入する条約を結ぶことで合意するかどうかです」 「こうしたことから、韓国は大統領府の高官がロシア側に対してわざわざ『レッドラインを越えるな』とした上で、『ウクライナ侵攻だけでなく、情勢が終わった後のことも念頭に置いて欲しい』と伝えるほどだったんです」 「つまり、なんらかの形でウクライナ侵攻が収束し弾薬が必要なくなった際も、それでも北朝鮮と密接な関係を続けていくのか。韓国としては、中長期を見据えた検討をロシア側に対して促していて、北朝鮮との関係強化を警戒する状況が続いています」