「MRJ」量産1号機、5回目の納入延期三菱重工が会見(全文1)2020年半ばに
三菱重工は23日、記者会見を開き、子会社の三菱航空機が開発する国産旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」の量産1号機について、納入時期を2020年半ばに延期すると発表した。MRJの納入延期は今回で5回目となる。 「MRJ」量産1号機、5回目の納入延期、2020年半ばに 三菱重工が会見
MRJの開発スケジュールの現状について
司会:それでは時間になりましたので、会見のほうを始めさせていただきたいと思います。それでは本日の会見者をご紹介いたします。皆さまの左側、三菱重工業株式会社、取締役社長、CEOの宮永でございます。続きまして中央、MRJ事業推進委員会の事務局長であります三菱重工業株式会社、執行役員、交通・輸送ドメイン副ドメイン長の篠原でございます。右側、三菱航空機株式会社取締役副社長、執行役員の岸でございます。 本日の記者会見は質疑を含めまして全体で1時間程度と考えております。ご質問は全て説明のあとにお受けいたします。それでは宮永からMRJ事業の推進につきましてご説明をさせていただきます。宮永社長、よろしくお願いします。 宮永:社長の宮永でございます。それではMRJの開発推進状況につきましてご説明申し上げます。まず開発スケジュールの現状でございますが、当初の計画は2013年後半に、約5年ほどで初号機を納入ということで、いくつかの遅れを、延期をずっとしてまいりましたが今回、実はちょうど、いろいろな問題をずっとやってきたわけで、後ほどここの、どういうことで問題があったか。まずわれわれ、今まで、例えば主翼の変更だとかいろいろなことでさまざまな遅れが出てきておりましたけれども、外国人アドバイザーの助言を得て、日本人主体でどんどん開発を促進してまいりました。で、やはり型式証明の、本当に詳細なプロセスに入りましたときにやはりいろんな、非常にこの初飛行自身は大変うまくいったのでございますが、それ以後にもやはり型式証明を取る上でいろんな問題がございましたので、実は昨年の夏ぐらいに1回レビューして、これは大変だなということで関係者との協議の結果、私のほうで、昨年11月に完全な直轄体制を、私が直轄することといたしました。三菱重工業と三菱航空機、全般のこのMRJの開発、全てについてやはり私が直轄してみようということにいたしまして、それ以後、外国人エキスパート、本当にこれ、いろんな新しい飛行機の開発に従事した方々を日本に招きまして、その方々、またアメリカのシアトルのエンジニアリングセンターにも増強しておりますが、特にクリティカルな、コアなところにつきましては日本に招きまして、その方たちにずっとレビューをしていただきまして、その結果、やはり一部の装備品の配置を変更したり、電気配線全体をやはり、最新の安全性適合基準を満たす設計にもう1回、変えようと。 というか、基本的に安全性は今まで十分説明できておりますけれど、自信はございますけども、これが世界に、最も国際的に説明がしやすい、また従来、論理的にきちんと説明できる、そういう設計をもう1回きちんとやってみようと。これが今後のMRJの長い事業展開のために、より良い結果をもたらすであろうという判断の下に、この辺の変更を全部、決断いたしました。それで、11月以降、さまざまな分野でエキスパートの方の活用を拡大するとともに、型式証明プロセス、そういうものを進めてきたと。 現在、ちょうどこの2017年の1月末でございますが、この緑色のところまでが全部、だいたい終わっておりまして、実際にはもう7号目、8号目、後ほど費用のアロケーションなんかを見ていただきますと、かなりのところまで進んでおります。ただし、やはり本当に世界で売れるような飛行機として、安心・安全という面で最先端のものと最高水準のものということに、最後の、全ての証明プロセスに入っております。そういう中で、われわれは今、こういう状態で、それでお手元の資料のとおりの作業を進めているところでございまして、そのためにはやはり、これぐらいのところ、かかるなと。 で、基本的にはやはり、2020年の中ごろぐらいまでになるのではないかということでございますが、なんとかわれわれとしてもこのプロセスをまず、安全性の、最も安全な飛行機を造るということを前提として効率化できないかということで、あと半年ぐらいの繰り上げを目標に、今から頑張っていくところでございます。 そのような中で、やはりかなり市場への投入が当社の予定よりも遅れておりますし、世界の最近の新型の旅客機の開発、やはり規制の問題、その他で複雑化しておりますので、投入遅れが割と常態化しておりますけれども、われわれもかなり遅れてきていると。それに伴って、開発費を増加しておりますが、まずこのMRJの事業を長くやはり維持し、長い、長期の間に成長を続けていくためには、どうしても成長のために最も必要なのはお客さま、それから一緒に飛行機を造っていくパートナーの企業の方々。それから、〓許認 00:06:50〓、いわゆる型式証明、その他を行う各国の機関の方々、そういう方、この方たちとの緊密なリレーションが最も大事であろうと思っております。これなくして、次の長期的な事業性の確保や、その他の財務基盤の強化というものはあまり意味がないと思っておりますので、ここのリレーションの強化につきましては、三菱重工が今まで考えた、さらに真摯に謙虚に頑張っていきたいと思っております。