資産3億円を超えるベテラン投資家が注目する2つの金融商品…「他人の手法や動向は気にするな」
資産3億円を超えるベテラン投資家立川氏(X:@vis2004)は、現在どのような銘柄に注目しているのだろうか。立川氏が売られ過ぎと考えている銘柄群をうかがった。また投資の成功するためのアドバイスも得た。
今後の株式市場は「正直分からない」
ーー今後の株式市場についてどのように見ているのでしょうか? 正直分かりません。個人投資家が分かることには限界があると考えているのと、自らの調査能力に疑問を持っているため分散投資をしており、基本的に相場の予想はしていません。 ーー投資セクターも同様ですか? 同様です。銘柄の選別は以下の2点を中心に行っています。 1.ある程度の配当が既に出ており今後も増配の可能性が見込める銘柄 2.10~20年会社が存続可能で安心して保有できる銘柄
資産3億円超の立川氏が注目する銘柄群とは
ーー注目している銘柄などはありますか? 注目する銘柄というより銘柄群としては、インフラファンド全体に注目しています。インフラファンドは太陽光などの発電で得た電力を電力会社に売却し、その売却益を投資家に分配しています。REIT(投資者の資金で不動産への投資を行い、その収益を投資者に配当する商品)と類似したビジネスモデルのファンドです。 ーーインフラファンドはREITと同様に、利益の9割以上を投資家に分配するため成長は見込めないのではないでしょうか。 そうですね、私は単純な配当利回りだけでは投資をしていないので、REITは投資対象から必然的に外れます。ただしインフラファンドは現在5本が上場しているものの、いずれも売られ過ぎの状態です。分配利回り10%を超えるファンドもあります。
利回り10%を超えているファンドは配当だけでも妙味
ーー各インフラファンドのチャートを見ると、今年は大きく下落していますね。 そうなんです。ところが、冷静に考えれば発電した電気は決まった価格で電力会社に買い取って貰える、非常に手堅いビジネスを手がけています。世の中に様々なビジネスはありますが、作ったものを作っただけ決まった値段で買ってもらえるビジネスはそうそうありません。 電力会社としても自前の設備投資は大きな負担となりますが、インフラファンドの存在により安定的に電力が確保できます。将来的な電力の買取に対する不安、金利動向など、インフラファンド対する逆風はあるものの、それでも売られ過ぎではないでしょうか。 ーー5本あるインフラファンドの中で特に注目している銘柄はありますか? 利回り10%を超えているファンドは、利回りだけでも投資妙味があると考えています。インフラファンドは減価償却費から資本的支出を除いた上で利益超過分配を行っています。REITやインフラファンドは利益の9割以上を投資家に分配することで法人税の減免がなされますが、逆に言えば内部留保の蓄積が難しく、拡大再生産が難しいのが欠点です。 利益超過分配を抑えることで設備投資余力が増えるため、将来的には利益成長による分配金の上昇が期待できます。(※取材後、ジャパンインフラファンドから利益超過分配を抑えて内部留保するリリースが発表された) ーーその分、目先は分配金利回りが低くなりますが、その点はどのようにお考えですか? ほかのインフラファンドに比べて利回りの低いカナディアン・ソーラー・インフラ投資法人ですら分配利回りは8%を超えており、売られ過ぎの状態に感じます。 REITではマリモ地方創生リート投資法人(3470)なども同様に利益超過分配を実施しており、注目しています。