<車庫ぶら>トップレベルの技術を持つ森之宮検車場へ
<車庫ぶら>トップレベルの技術を持つ大阪市営地下鉄森之宮検車場へ THEPAGE大阪
日本第2の都市・大阪を縦横に結び、人々の足となって経済を支えている大阪市営地下鉄。今回はその車両基地、森之宮検車場を訪れた。日本の鉄道事業者の中でもトップレベルの技術を持つ「大阪の地下鉄」その車庫の中は・・・?
朝ラッシュの営業を終えた列車が次々に
「地下鉄の車両はどこから入れるの?」なんていう漫才のネタが昔あったが、大阪市営地下鉄の車庫はその多くが地上にある。今回訪れた森之宮検車場もその1つで、大阪城の東側に広がるその敷地面積は11万5千平方メートルと、大阪市営地下鉄で最大規模を誇る。 正門をくぐると、検車場の太古(たいこ)孝治場長が出迎えてくれた。「この森之宮検車場は、中央線と千日前線の車両、合計188両の『ねぐら』になっています。」という通り、敷地北側の留置線には緑やピンクの帯を巻いた両線の車両が並んでいた。森ノ宮駅と検車場を結ぶ連絡線からも、朝ラッシュの営業を終えた列車が次々に上がってくる。 そのうちの1本に乗車させてもらった。戻ってきた列車は、まず車体洗浄装置で洗車の後、敷地南側の検査棟へ。「ここでは『列車検査』といって、ドアの開閉やブレーキの動作など、各部のテストや取付具合のチェックを行います。その他、3か月ごとに機器内部の点検・手入れを行う『月検査』もここで実施します」という説明の横で、早くも数人のスタッフが床下にもぐったり車両に乗り込んで、手際よく検査を始めていた。
この赤いランプに見覚えありませんか?
検査棟では、検査がしやすいよう床面より線路が高くなっている、そこで面白い物を見つけた。列車が入ってくる線路の脇で、赤いランプが点灯している。 中央線や千日前線は、頭上の架線ではなく「第三軌条」と呼ばれる足元の専用レールから集電するのだが、このランプは現在電気が流れていることを知らせるもので、感電事故防止のため設置したという。 「この赤いランプに見覚えありませんか?」と言われてよく見ると、なんと地下鉄車両の車体側面についているランプだった。「職員のアイデアで、ドアの開閉を知らせるランプを再利用しています。ちなみに保護用のカバーはペットボトルを切ったものです」 傍らの壁には、検査で使う工具が掛けられていた。同じようなハンマーだが、柄の長さや色が微妙に違う。「各職員が、自分の使いやすいように自分で加工しているんです」と教えてくれた職員のハンマーは、指を掛けやすいよう削ってあった。