2024年の恋愛トレンドは“複数恋愛”? 3人1組の恋愛「スラプル」が急増している理由を専門家が徹底分析
スラプル(別名:トライアド)とは?
2024年は、スラプルを扱う映画やドラマが非常に多い。映画『チャレンジャーズ』では緊張感溢れる三角関係が描かれているし、Peacock TVはスラプル専門の恋愛系リアリティ番組『Couple to Throuple』の配信を開始した。2024年の恋愛シーンは3人1組が当たり前になりつつある。 この数年でノンモノガミーを扱う作品は確実に増加した。例として、ドラマ『リバーデイル』(2023年)はアーチー、ヴェロニカ、ジャグヘッド、ベティがロマンチックな4人組になって終わり、リブート版『ゴシップガール』ではオードリー、マックス、アキの3人が恋愛関係に。 そして今、スラプル(別名:トライアド)への注目度が異常な高まりを見せている。スラプルは3者の合意と信頼関係の上に成り立つバランスのよい関係で、クローズド(交際もセックスも3人の間だけ)のケースとオープン(他の人との交際やセックスもOK)のケースの両方がある。 セックスカウンセラーのレイチェル・ライト氏(LMFT)とタマラ・ピンカス氏(LCSW)は、この現象に驚きを隠せない。
「スラプルは、ノンモノガミーの中でもっとも複雑な関係の1つです」とライト氏は語る。「3人で構成される関係では、他の構成の関係では生じえない困難が生じます。それが楽しいのならいいですが、決してラクな関係ではありません」 ピンカス氏によると、スラプルは数あるポリアモリーの形の中でもとくに珍しい。だから「ポリアモリーが支持されるようになった途端にスラプルが流行り出すというのは、少しおかしな話です」
スラプル流行の理由は?
ピンカス氏によると、スラプルが突然流行り出したのは、それがポリアモリーでありながらモノガミーに一番近い人間関係の形だから(ライト氏いわくポリアモリーの形には他にも、スウィンギング、オープン・リレーションシップ、ポリキュールなどがある)。 「人々は、自分のパートナーに自分の知らない人と付き合われるより、スラプルの関係にいたほうが安心なのかもしれません」とピンカス氏。(パートナーが自分の知らない人と付き合って)「ちょっと浮気されている気分になるのは、怖いというか脅威ですから」 ライト氏も、多くの人にとってモノガミーに“一番近い”ポリアモリーの関係は、既存の異性愛の関係に別の女性を追加することだと言う。「それが人々にもっとも理解されやすい形だから、メディアも“扱いやすい”のでしょう」 だからといってスラプルがラクな関係とは限らないし、スラプルにはモノガミーの関係や他のポリアモリーの関係にはない困難が伴う。「この世界は私たちが2人1組であることを前提に設計されているので、(3人だと)ほぼすべての状況で誰か1人が気まずい思いをすることになります。ディズニーランドでアトラクションに乗るときも、カップルでマッサージを受けるときもそうですね」とライト氏。「すべては2人のためにあるので、『自分は2人のうちの1人なのか、その余り者なのか』を考える瞬間が必然的に出てきます」 本当に対等なスラプルでは誰も余り者にならないけれど、「そう感じてしまうことは間違いなくあるでしょう」とライト氏は続ける。