国内に透析患者は約35万人! 「腹膜透析と血液透析の違い」を知っていますか? 腹膜透析が普及しない理由
透析というと「自分には縁のないもの」と考えてしまいがちですが、実際に透析を受けている方は日本国内だけで約35万人もいるそうです。そこで今回は、腹膜透析と血液透析の違いや自宅でできる腹膜透析が日本で普及しない理由について、腎臓専門医の青柳誠先生(西新井大師西腎透析クリニック副院長)にお話を伺いました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
人工透析とは? 腹膜透析と血液透析の違いやメリット・デメリットなど
編集部: 人工透析について教えてください。 青柳先生: 人工透析は、なんらかの原因で腎臓が十分に機能しなくなった方に対して行われます。腎臓には、血液から老廃物を取り除き、尿として排出する役割があるのですが、これを、腎臓の代わりに装置などを使って行うというのが人工透析です。 編集部: 透析をされている方は多いですか? 青柳先生: とても多いです。日本透析医学会の報告によると、透析を受けている方は日本国内に約35万人いらっしゃいます。 編集部: 透析にも種類があると伺いました。 青柳先生: はい。主に血液透析(HD)と腹膜透析(PD)に分けられます。血液透析(HD)は透析を行っているクリニックに患者さんが行き、人工腎臓のフィルターを介して、血液にある老廃物や余分な水分を取り除きます。頻度としては、4時間を週3回行う必要があります。 編集部: では、腹膜透析はどうでしょうか? 青柳先生: 腹膜透析(PD)は、ご自身のお腹の膜(腹膜)を利用して血液をきれいにする方法で、自宅で行うことができます。お腹の中に2Lの透析液を入れると、血液中の老廃物がお腹の透析液に移動してきます。数時間後に老廃物の貯まったお腹の透析液を体の外に出します。これを1日に4回程繰り返すのが腹膜透析です。お腹の中には常に透析液が貯留し腹膜透析が行われている状態となります。日中に何度も透析液を交換するのは負担になるため、機械を使って寝ている間に自動で数回お腹の透析液を交換し、日中は透析液の交換を行わない方法もあります。