62歳の妻は「特別支給の老齢厚生年金」を受け取れる? 普通の年金にいくら“追加”で支給されるの? 受給要件・受給額もあわせて解説
特別支給の老齢厚生年金は、かつて厚生年金保険の受給開始年齢が引き上げられた際に、年金の受給年齢をスムーズに引き上げるために設けられた制度です。特別支給の老齢厚生年金は受給できる人が限られているため、自分や家族は受け取れるのか気になるという人も多いでしょう。 本記事では、特別支給の老齢厚生年金の受給要件や受給額など、特別支給の老齢厚生年金の概要について解説します。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
特別支給の老齢厚生年金とは?
特別支給の老齢厚生年金とは、厚生年金保険の受給開始年齢を段階的に引き上げるために設けられた制度です。 1985年の法律改正で、厚生年金保険の受給開始年齢が60歳から65歳に引き上げられたことで、5年後となった受給年齢をスムーズに引き上げるための特別措置として設けられました。 特別支給の老齢厚生年金を受け取るには要件を満たしている必要があります。年金の受給要件や受給額を解説するので確認してみましょう。 ■受給要件 特別支給の老齢厚生年金を受け取れるのは「1961年4月1日以前に生まれた男性」または「1966年4月1日以前に生まれた女性」のどちらかに該当する人です。 老齢基礎年金の受給資格期間(10年)があり、厚生年金保険等に1年以上加入していれば、生年月日に応じた受給開始年齢から支給されます。生年月日に応じた受給開始年齢は図表1の通りです。 図表1
日本年金機構 特別支給の老齢厚生年金より筆者作成 特別支給の老齢厚生年金の受給者は、受給開始年齢に達する3ヶ月前に送付される「年金請求書」を、受給開始年齢に到達した日以降に提出する必要があります。 ■受給額 特別支給の老齢厚生年金の受給額は、年齢や厚生年金保険の加入期間などによって変わるため人によって異なります。 特別支給の老齢厚生年金は「報酬比例部分」と「定額部分」に分かれており、それぞれの特徴は図表2の通りです。 図表2
筆者作成 報酬比例部分は、特別支給の老齢厚生年金の支給要件を満たしている人全員が受給できる部分で、加入期間や過去の報酬等によって金額が異なります。 報酬比例部分の金額を求める計算式は図表3の通りです。 図表3