「令和最初の」プロ野球記録は誰が作る?
平成のプロ野球の最後を締めたのは4月30日、唯一のナイトゲームとして甲子園で行われた阪神―広島戦だった。この日は、セ・リーグの3試合しか開催されておらず「平成最後のホームラン」も三振も、勝利投手も敗戦投手もここから生まれた。この試合のホームランは1本。8回二死一、三塁から広島の3番でスタメン出場していたバティスタが阪神の島本から左中間に放り込んだ4号3ランが、「平成最後のホームラン」になった。逆に三振は9回一死から広島の安部が阪神の岩崎から奪われたもの。また「平成最後の勝利投手」は、今季初勝利となった阪神の先発、秋山で、7回3安打無失点の見事なピッチング。お立ち台では、「正直狙っていたんで。記録に残るかなと思って」と「平成最後」の称号を狙っていたことを明らかにしていた。 一方、屈辱の敗戦投手は広島の先発、アドゥワ誠。立ち上がりに三者連続四球を与えるなどコントロールに苦しみ3失点で敗戦投手となった。また、この試合は5点差があったため、阪神の3人目、岩崎にセーブがつかず、「平成最後のセーブ」は雨の中のデーゲームで行われた横浜DeNA―ヤクルト戦のヤクルトの石山についた。巨人―中日戦よりも試合終了時間が遅かったためである。 では「令和最初の記録」は誰が手にするのだろうか。 5月1日は、セ、パ全試合が行われるが、パの3試合はいずれもナイターで、デーゲームで行われるセの3試合から「令和最初」の記録が生まれる可能性は高い。いずれも14時開始で条件は同じだが、「令和1号ホームラン」の出る可能性は“本塁打量産球場”である東京ドームの巨人―中日戦、横浜スタジアムの横浜DeNA-ヤクルトの2試合が、広い甲子園で行われる阪神―広島戦よりも高いだろう。 今季のチーム本塁打数のトップはヤクルトの38本で巨人の35本、横浜DeNAの34本と続く。一方、被本塁打数でいくとヤクルトの39本がトップで2位が阪神の36本。中日は20本、横浜DeNAは23本と低い。 巨人の先発、菅野の昨年の被本塁打は14本で、そのうち8本は東京ドームで打たれている。菅野クラスでも、この球場では打たれるが、今季の中日戦の先発は初で、昨年の対中日の被本塁打も2本しかない。一方、中日の先発、山井も今季巨人戦には初先発だが、昨年は被本塁打12本中、半分の6本が巨人戦で、しかも東京ドームでは4本を浴びて相性が悪い。ただし打たれた6本の相手は、マギーが2本、長野が2本、阿部が1本、マルティネスが1本で苦手だった3人は今季巨人からいなくなっている。阿部も今季は主に代打要員だ。