豪中銀、強力に対応と副総裁 米関税が世界貿易に打撃なら
[シドニー 11日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)のハウザー副総裁は11日、米国による関税が世界貿易に打撃を与え、豪国内の成長を脅かす場合、「力強く」対応する用意があると強調した。シドニーで講演した。 豪は他国と異なり対米貿易赤字を抱えていることから、米の関税が豪に与える直接的な影響は限定的と指摘。豪最大の貿易相手国である中国が、関税への対応として景気刺激策を行えば、豪の経済活動が活発化する可能性もあるとの見方を示した。 一方、全面的な世界貿易戦争という極端なシナリオが現実のものになれば、世界の活動と貿易を押し下げると警告。「われわれは情勢を注視し、完全雇用を維持しつつ低位安定インフレを実現するという責務を実現するため、必要であれば力をもって対応する用意がある」とした。 豪中銀は10日、政策金利を4.35%に据え置いた。ただインフレが目標に向かっていると「ある程度確信」していると表明、タカ派的な文言を和らげた。 ハウザー氏は、米国の関税が豪インフレに与える影響については不明確であり、どちらの方向にも動く可能性があると述べた。「世界恐慌に再び陥る可能性は低い」とも語った。