「ソーセージとウィンナーの違い」業界に聞いてみたら驚きの返答 「全然違う」あの種類で定義が変わった
ソーセージとウィンナーの違いを教えてください――。読者からこんな質問が寄せられました。この疑問に答えるべく業界団体に取材してみると、ソーセージにまつわる意外と知られていない事実が分かりました。ソーセージ、ウィンナー、フランクフルト。これらの言葉の違い、説明できますか?(朝日新聞デジタル企画報道部・武田啓亮) 【画像】一目で分かる! ソーセージ、ウィンナー、フランクフルトの違いはこちら
材料で呼び名が変わる
日本ハム・ソーセージ工業協同組合の担当者にソーセージとウィンナーの違いを聞くと「ソーセージは挽き肉に調味料を混ぜて動物の腸に詰めた料理全般を指す言葉で、ウィンナーはその中の1種類を指すものです」との回答が。 「ソーセージは、材料によってウィンナー、フランクフルト、ボロニアと呼び名が変わります」 質問を寄せてくれた読者は、「あらびきかどうかが関係しているのかも」と推測していました。 記者の周囲にも「『魚肉ソーセージ』とは呼ぶけれど、『魚肉ウィンナー』とは呼ばないよね」と、やはり中身に関係があるのではないかと推測する声が多くありました。 担当者に聞いてみると「中身ではなく、お肉を包んでいる『皮』の種類です。どんな動物の腸に詰めるかで呼び方が変わります」 なんと、中身ではありませんでした。 ソーセージ類のうち、羊の腸に詰めたものをウィンナー、豚の腸に詰めたものはフランクフルト、牛の腸に詰めたものはボロニアと呼ばれるそうです。 ちなみに、魚肉ソーセージは、農水省によって普通のソーセージとはまた別の規格が定められているそうです。
太さで呼び分ける場合も
ソーセージを作る際、現代では動物の腸の代わりにコラーゲンやセルロース(植物繊維)などの素材を使う場合もあるそうです。 「その場合は、ソーセージの太さで呼び方が変わります」 直径20ミリ未満のものは、本来なら〝羊の腸〟である「ウィンナー」と呼びます。 20ミリ以上36ミリ未満のものは、〝豚の腸〟にあたる「フランクフルト」と呼ばれ、それよりも太いものは、本来〝牛の腸〟である「ボロニア」と定義するそうです。 ただ、大手の食品メーカーでは動物の腸を使っている製品がほとんどのため、太さによって定義されるケースはそれほど多くないとのこと。 「それぞれメリットはあるのですが、やはり、パリッとした食感を重視して、今でも動物の腸を使うことが多いようです」