【パリ五輪2024】 アーチェリー・野田紗月選手にインタビュー!日本人初の快挙を成し遂げた24歳の見据える的の先にあるもの
70メートル先にある標的は直径122cmの円。その的の中心を狙って矢を放つ瞬間は、息をのむ緊張感に包まれる。アーチェリーは、繊細なスキルと高い技術に加えて、メンタルの強さが求められる競技だ。 【動画】 アーチェリー世界選手権3位!野田紗月選手の素顔に迫る10の質問 日本のエースアーチャーとして注目を集めている野田紗月選手は、若干23歳。柔らかな笑顔が印象的だが、ひとたび的を見据え弓を構えると、その力強く凛々しい姿に目を奪われる。
日本人初の快挙、世界選手権3位でパリオリンピック出場へ
2023年に迎えたドイツ・ベルリンでの世界選手権大会では、女子リカーブ個人で銅メダルを獲得し日本人選手では初となる快挙を達成、見事パリ五輪出場を射止めた。 「世界選手権で上位3位内に入ればオリンピック出場、ということは知っていました。上位3位の枠を争う試合で『あと1回勝てば残れる。絶対、勝とう!』と思ってました。相手は韓国と強豪だったので、自分は挑戦者という感覚でした。 試合前の練習では、感覚はいいけどそんなに矢は当たっていなかったんです。怪しいな、と思ったのですが、いざ試合になると集中するので、どんどん矢も集まって3試合目に勝てて3位になれた。『おお、いけた!』みたいな感じでした」
オリンピック出場に、親戚一同大騒ぎ
決して萎縮することなく挑んだ試合で、人生初の五輪への切符を手にした。オリンピック出場が決まると、「親戚一同大騒ぎ」だったという。日本アーチェリー女子のホープとなった彼女がこの競技と出会ったのは、高校の部活紹介。 中学はソフトテニス部だったことから、高校でもテニス部に入部しようと考えていた。しかし、アーチェリー部の先輩が風船に向けて矢を放つ姿を目にした時、一気に心を奪われた。 「ひとつも外さず全部風船が割れて、『かっこいい!』って。それでアーチェリー部に入ろうと決めました。最初は初心者用の弓で練習するので、早く先輩みたいにかっこいい弓を使いたくて頑張っていました。自分が好きな道具を揃えることができてから、ようやく本格的に始めることできました」 出身校である福岡県立折尾高等学校のアーチェリー部は、毎年全国大会へ出場する強豪だった。「練習は厳しくはなかった」と振り返るが、実際は朝晩、休日も返上で、アーチェリーにのめり込んでいった。