【パリ五輪2024】 アーチェリー・野田紗月選手にインタビュー!日本人初の快挙を成し遂げた24歳の見据える的の先にあるもの
オリンピックに出るとは夢にも思わなかった
「最初は弓を引く力もないので、どんなに狙っても全然当たらず、思うように打てなかったんです。だから的に当たると嬉しくて、次は真ん中に当たるのが楽しくなって。どんどん突き詰めたくなってハマっていきました。高校のときは『楽しい』っていう気持ちが一番でした。ここまで長く続けるとは当時は思っていなかったですね(笑)。成長したいという思いはあったけど、オリンピックは視野にありませんでした」 高校3年のインターハイでは3位に入賞。山田秀明監督に誘われ、数々のオリンピック選手を輩出するアーチェリーの名門・近畿大学に進学し、その才能は開花する。順風満帆に見えるアーチェリーの道だが、挫折がなかったわけではない。 「大学2年の時、ナショナルチームの選考会に落ちたんです。7点差という、追いつける点数だったから、なおさら悔しかった。めちゃめちゃ練習していたのに落ちてしまって『練習しても落ちるのか』という感覚の一方で『まだ練習量が足りてなかったんだ』と思いました。いちから……じゃないですけど、さらに練習して、翌年の選考会ではナショナルチームに入ることができました。その後世界大会の選考会を1位通過できたとき、『もしかしたらオリンピックを目指せるかもしれない』と初めて意識しました」