<ボクシング>村田、超攻撃的スタイルに進化!
ロンドン五輪金メダリストの村田諒太(三迫)が15日、プロ第4戦(4月22日・島津アリーナ京都)に向けてのスパーリングを都内の帝拳ジムで公開した。相手を務めたのは、2年前に、全勝のホープとしてIBF世界ウエルター級の世界戦を戦った経験もあるマイク・ジョーンズ。村田は、十分に体重の乗ったパワフルな右ストレート、ワンツーからプレッシャーをかけ、ジャブのように使う左のボディストレートで牽制。ロープにつめると、鮮やかなコンビネーションブローで圧倒した。 約1か月にわたる米国・ラスベガスで合計74ラウンドのスパーを消化して、そのボクシングスタイルは、またひとつバージョンアップしていた。これまで、ややアップライトに背筋をピンと伸ばしたり、頭を動かすダッキングや上体を柔らかく使ってパンチを殺すようなプロのディフェンス技術に取り組み、試合でも実戦して見せて、その吸収力と順応力の高さを内外にアピールしてきた。だが、今回は、スタンスを少し広く、上体もやや前かかりで、超攻撃的でバランスのとれたフォームに進化した。 葛西トレーナーも「下半身が安定している。構えがしっかりとしているため、右ストレートにも伸びが出てきた。威圧感を感じる。硬いガードからストレートを軸にコンビネーションを打ち込んでいくという自分のボクシングスタイルが出来てきたのではないか」と言う。 確かに本来持っていた特有のプレッシャーに加え、パンチに一層の迫力が増した。「自分のストロングポイントはどこかと考えると、体の強さとパンチの強さです。倒しにいくのが自分の売りですから。KOを狙って力むのは怖いですが、僕のスタイルは生粋のファイター。本能で殴りにいくタイプなんです」。 WBA、WBC世界Sライト級の統一王者であるダニー・ガルシアが、「セットアップ(しっかりと構えること)して打つこと」の大切さを機会がある度にコメントしているが、村田も、この理論に共鳴。「流れて打ってしまうよりも、ひとつひとつセットアップして打った方がバランスがいい」と、名王者のスタイルを取り入れた。