<ボクシング>村田、超攻撃的スタイルに進化!
スパーの合間に葛西トレーナーが「小さく、小さく」と声をかけたが、これも手の動きをできるだけコンパクトに、セットアップからスタートしていこうという意識を高める行動。被弾のリスクを少しでも減らしながら、より攻撃的なスタイルへの変貌にトライしている。 今回の対戦相手のヘスス・アンヘル・ネリオ(25歳)は、12勝(6KO)3敗の新鋭で、村田にそれほどの脅威を与えるような実力の持ち主ではない。それでも、過去に世界ランカーとの対戦経験があり、映像を二度見た村田は、「やり辛い。ロープに詰まっても、上体をクネクネと動かしながらクリーンヒットを許さない。上下の打ち分けが必要になってくるでしょう。ただ、こんなところで躓けないし、これまで(アマ時代も含めて)いろんな国の選手とやってきているので、恐怖感はない」と力強く言い切った。 米国・ラスベガスでのトレーニング中には、全米ボクシング記者協会の表彰式に参加して、マイク・タイソンや、ロイ・ジョーンズJRらと顔を合わせた。たまたま滞在中に行われたフロイド・メイウェザー対マルコス・マイダナとのWBA、WBC世界ウェルター級の統一戦も観戦した。彼が最終的に目指す舞台や、超一流のボクサーを目の当たりにして刺激も受けた。 「華やかな世界ですが、そこで引けを取るようではいけないと思うんです。決して日本人が劣っている、無理だとは思わなかったし、自分でも行けると思ったんです。日本人は気持ちが強い。2度殴られて3度前に出ることは、日本人にしかできないし、日本人のそういう我慢強さで、僕も負けるつもりはないねす。スタミナや競技の取り組む真面目さもある。そういう日本人の強みを積み重ねていければ」。村田は、熱く日本人論を語った。 超攻撃的なスタイルで、プロ4戦目のメキシカンを蹴散らせば、次は、いよいよ、世界で最もレベルも選手層も厚いミドル級の世界ランカーとの危険な勝負へチャレンジすることになる。 (文責・本郷陽一/論スポ、アスリートジャーナル)