【大人のための至福のホテル案内】「ローズウッド香港」で最高の思い出づくり
香港生まれのソニア・チェン氏にとってローズウッド香港は、世界のローズウッドの総本山とも言える、とりわけ大切なプロパティ。ホテルが建つ場所は祖父がニューワールド デベロップメントを創業した地であり、家族と共に過ごした少女時代の思い出が詰まった特別な場所であるからだ。ホテル内の「ホルツカフェ(Holt's Café)」の名前の由来はこの場所が旧ホルツ居留地だったこと、広東料理の「ザ レガシー ハウス(The Legacy House)」は、広東省出身の祖父が残した遺産(レガシー)へのトリビュートとして名付けられていることにも彼女の家族への敬意が表れている。 ホルツカフェに飾られている羽にクリスタルが輝く孔雀はコロンビア出身のクラリダ・ブリンカーコフの作品。香港の喧騒が聞こえてくるようなタクシーのコラージュ作品は地元のアーティスト、ナンシー・リー作
CEOソニア・チェン氏とデザイナー トニー・チー氏の審美眼
ゲストがローズウッド香港で邸宅の雰囲気を強く感じるのは、エレベーターを降りてから客室に向かう前にあるサロンではないだろうか。椅子とサイドテーブルが置かれ、貴重なアートピースが美しく陳列された空間は、ここがホテルであることを忘れさせてくれる。客室のドアの前には作り付けの傘立てがあり、雨の多い香港で自由に傘が使える配慮がなされている。多くのホテルではゲスト用の傘はクローゼットの中に置いてあるのだが、ローズウッド香港ではドアの外(玄関先)に傘が置かれていることにも邸宅を意識したソニア・チェン氏とトニー・チー氏の心使いを感じる。客室はチェックのデザイン、ヘンリーボーン柄のスリッパ、ウイリアム・ローが描く香港の風景画、風水を意識した大理石のバスルーム、ロロ・ピアーナの壁紙、カクテルブックが置かれたバーワゴンなどゲストが目にするもの、手に触れるもの、すべてが二人の審美眼に叶ったものだ。 「ザ レガシー ハウス」、インド料理「チャート(Chaat)」といったミシュラン星付きレストランをはじめ合計8つのレストラン、2023年にアジアのベストバー50の9位にランクインする人気のバー「ダークサイド(DarkSide)」を擁し、世界のアートコレクターが目を見張る貴重な数多くのアート作品があるラグジュアリーホテルの模範と言えるローズウッド香港であるが、このホテルを語る上で欠かせないのは、ゲストの期待を超えるために努力を惜しまないスタッフによる最上級のホスピタリティだ。