レ軍、上原、田沢トレード危機回避?!
レッドソックスの日本人右腕コンビは、トレード凍結か。今季限りで契約が終了するレッドソックスの上原浩治投手(41)と、田沢純一投手(29)の日本人コンビが、7月末日のトレード期限までに放出されない可能性が高まった。球団は、中継ぎ右腕のカーソン・スミス投手が24日(日本時間25日)、右肘靭帯再建手術を行ったと発表。今季絶望となり、上原、田沢を手放す可能性は極めて低くなったもの。 今季限りで契約が切れる上原と田沢は、1)チームが優勝戦線から脱落して再建を図る場合、もしくは、2)スミスが中継ぎで重要な役割を果たして余剰人材となる場合には、“トレードの目玉”となる可能性があった。市場に出れば、2人とも実績は十分。複数球団が獲得に名乗りをあげる争奪戦が予想され、球団が年俸900万ドルと中継ぎ投手としては、破格の年俸となる上原の負担を減らそうと画策する可能性も指摘されていた。 だが、開幕から4月中旬まで苦しい戦いを続けていたチームは、先月下旬から急上昇。チームは24日現在、アリーグ東地区の首位を快走し、スミスは戦列離脱。抑えのキンブレルにつなげる勝ちパターンを担う上原&田沢の日本人コンビは、ブルペンに欠かせない人材となっている。 「ブルペンの層を厚くするために獲得したスミスが手術することになったのは残念だが、今のブルペン陣に満足している。七回以降のタズ、コージ、キンブレルの3人は非常に安定しているから」とドンブロウスキ編成本部長兼社長も、鉄板の“勝利の方程式”を高く評価。スミスの離脱は誤算だが、開幕を故障者リストで迎え、復帰後もわずか3試合に登板しただけのスミスがいなくても、さほどダメージがないというのが実情だ。 米メディアからは、「41歳の上原と、例年、夏場以降にペースが落ちる傾向のある田沢への負担に対する懸念はあるか?」という質問も出たが、ファレル監督も「他のブルペン陣全員が力を合わせて、コージとタズをプロテクトしていく」と語った。 上原はこの日のロッキーズ戦で八回から二番手で登板し、1回を投げて1被安打無失点。スミスの離脱について「もし彼が今年(沢山)投げていれば、ちょっと・・・という感じになったかもしれないけれど、今年は投げていないのでね。ここまでも、皆で協力してやってきたし、そのままで大丈夫だと思う」と語った。 今年は打線が絶好調で、いつでも点が取れそうなムードがあるため、1点差で負けている展開でも、田沢ー上原の「勝ちパターン」を注ぎ込むケースが増えているが、「まだこの時期、どういうというのはない。これが、8月、9月になれば、またちょっと違ってくるでしょうけど」。 過去2年はチームがトレード期限を前に優勝戦線から大きく脱落。常にトレードの噂に名前が上がった上原だが、このままチームが好調を維持すれば、“雑音”のない7月を迎えることになりそう。2013年のワールドシリーズ優勝を牽引した日本人コンビが、3年ぶり王座奪回に大きな役割を果たしそうだ