【第3回】年金はいくら受け取れる?その2 年金に関するよくない噂は本当?
※編集部注: 「ねんきんネット」では登録すれば、年金を受け取りながら働き続けた場合や免除・未納などの保険料をさかのぼって納めた場合の年金額の試算などができます。また、自宅のパソコンで、24時間いつでも毎月更新された年金記録の確認もできます。登録には基礎年金番号(年金手帳やねんきん定期便に記載)が必要。
「そのうちもらえなくなる?」 年金にまつわるいろいろな噂は本当?
さて近年、公的年金に対する不安を感じている方も多いようです。例えば、「もらえる年齢がさらに先になるのでは」、「もらえるかどうかも分からない」、「金額が十分ではない」、「払った掛金よりも少なくしかもらえない」などです。 また多くの人が、「年金制度自体がもうもうたないのでは?」とも思っていらっしゃるようです。公的年金は、「賦課方式」を採用しています。簡単に言うと、現在支払っている年金の原資は、現役世代が支払っている保険料で賄う、という仕組みです。日本では急速に高齢化と少子化が進んでいます。これは、いってみれば受け取る人が増える一方で、掛金を支払う人は減っていくということですから、皆さんが不安を感じるのもよく分かります。 まず損得の問題ですが、これは一概にはいえません。例えば会社員の方が給与天引きで支払っている厚生年金保険料ですが、この金額と同額を会社も国に支払っています。つまり、会社員が支払っている金額は、本来支払わなければならない金額の約半分(会社によって異なる場合があります)なのです。また、国民年金に関しては、その財源の半分は税金です。このことを加味し、本人負担分のみで考えるなら、一概に元本割れだとはいえない場合もあります。 また、年金制度には、65歳以降の老後の保障という側面だけではなく、病気がケガ、事故などで障害を負ったときの給付(障害年金)や、世帯主に万が一のことがあった場合の給付(遺族年金)などもあります。従って、年金だけではなく、保険という意味合いもあるのです。 例えがちょっと極端ですが、生命保険に加入し、死ななかったから保険金がもらえず、損をした! と考える人は少ないと思います。年金も一緒で、単純に損得で考えるのではなく、保険機能を持った助け合いの制度、という観点でみるのも重要だと思います。