同じ世帯年収900万円でも「年金額」が異なるのはなぜ?パターン別に年金受給額を試算
年収によって将来の年金受給額が変わることは、多くの人が知っていることでしょう。しかし、世帯年収が同じでも、世帯によって年金の受給額が大きく異なるということを知っている人は、そう多くはないのかもしれません。 そこで、世帯年収が同じでも、将来の年金受給額が異なる理由を、世帯年収900万円の世帯を例に解説していきます。 ▼65歳から70歳まで「月8万円」をアルバイトで稼ぐと、年金はどれだけ増える?
同じ世帯年収900万円でも年金額が異なるのはなぜ?
同じ世帯年収でも、将来受け取る年金額が異なるのには理由があります。その理由として、年収は常に一定ではないということがあります。誰もが、最初に働いたときから、年収900万円を稼げていたわけではないでしょう。 多くの会社員は、若い20代30代の内は年収が300万円台や400万円台などと比較的低めのはずです。40代50代と昇進していくことで、ようやく年収900万円に達する方がほとんどでしょう。 厚生年金の受給額は、おおむね現役時代の平均年収に比例します。そのため、今は世帯年収が900万円であっても、過去に世帯年収が900万円より低い期間があると、それに応じて年金額が少なくなり、逆に年収の高い期間があれば、年金額が増えることになります。 また世帯年収が900万円であっても、夫婦がともに厚生年金に入っているか、そうでないかによって、年金額が増減します。おもにそのような理由から、世帯年収が900万円であっても、将来受け取る年金額に差がつくのです。 それでは実際に、年金受給額を条件別に確認してみましょう。なお、年金の試算については、特に指定のない限り、下記のような条件で行います。 ●「公的年金シミュレーター」を利用 ●夫婦ともに1980年10月1日生まれ ●夫婦ともに20歳から22歳の間、学生として国民年金に加入 ●就労する期間、または専業主婦の期間は23歳から59歳まで ●年金は65歳から受給
年収900万円の夫と専業主婦の妻
現役時代の年収の平均が900万円の夫と、23歳以降は専業主婦の妻という世帯の場合、夫婦で受け取る年金額は、夫が年間252万円、妻が年間80万円の合計で332万円です。 月額換算では28万円ほどとなります。夫の年収が900万円と高収入だけあって、妻が国民年金のみであっても、年間300万円を超える年金を受け取ることができるようです。