「13歳までソフトクリームが食べられない」食物アレルギーのある娘の母が絵本を出版 全国を行脚
娘が親の手から離れた今も
それでも、栗田さんはあきらめなかった。活動は今年で18年目になる。娘は28歳。大学では栄養学を専攻した後、栄養士として病院に勤務。 現在、海外で飲食業に従事しているという。治療に励み、今ではアレルギーがあるのはピーナッツのみだ。 娘が親の手を離れた今も、栗田さんは全国を飛びまわり、学会やイベントで読み聞かせなどの活動を続けている。絵本製作の技術を高めるため、民間資格「絵本専門士」の資格を取得、今年6月には出版社が運営する絵本の専門学校を卒業するなど学ぶ姿勢に終わりはない。 専門学校の卒業制作で手がけた絵本が「13さいではじめてたべたソフトクリーム」。牛乳アレルギーで、アイスクリームを中学1年生になるまで食べられなかった娘を題材にした作品だ。 「ソフトクリームという多くの人が好むデザートを13歳になるまで食べられなかったという事実に対し、この絵本を読んだ人たちが自然と耳を傾けてくれるかもしれない、と思い作った」と栗田さんは語る。 絵本の内容は、医師などの専門家に助言を求めるなどして、内容に問題がないか確認してから出版にこぎつけた。 11月30日、「絵本専門士」約290人が参加するシンポジウムに栗田さんの姿があった。ブースを出展し絵本を広めた。今後も地元の愛知県岡崎市や名古屋など、さまざまな場所で活動をする予定だ。 「食物アレルギーに関する医療や世の中の受け止めは日々変わってきている。食物アレルギーのある人が少しでも生きやすい社会を作るために、絵本と共に動き続けていきたい」栗田さんはそう語った。 (メ~テレ記者 内田悠雅)