【着物買取】30年前の着物は二束三文でしか売れない?
今から30年前は、着物業界は売上が徐々に減少している時代。現在に比べれば伝統技術を用いた作品が多く市場に出回っていました。希少性が高く、高額で取引されます。 【概要資料3枚】30年前の着物の買取・着物事情を要約してサクッと見る しかし、家族から譲り受けた古い着物を買取業者で売却すると、目も当てられない値段にがっかりすることも。 そこで、本記事では「30年前の着物」の買取価格に注目。なぜ二束三文の価値になってしまうかを解説。30年前の着物でも高額で買取される可能性がある着物についても触れていきます。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
国内の伝統工芸が減少傾向の時代
着物市場がピークを迎えたのは1981年。その後は、徐々に縮小しています。加賀友禅や大島紬などの伝統的な着物も、需要の減少と職人不足により、生産数は急激に落ち込みました。 今から30年前には、市場規模は徐々に縮小していきました。その一方、この時期はまだ高級な着物が多く流通していました。 家族が持っていた着物は、職人たちが魂を込めて織り上げた着物の可能性があります。
30年前の着物が二束三文になる理由
職人が手掛けた着物が流通しているのであれば、高額で売却されてもよさそうです。 しかし、現実では家族から譲り受けた着物が二束三文にしかならなかったケースもあります。ここでは、その理由について触れていきます。 ●化学繊維の着物だった 30年前は、大量生産、低コスト化を実現するために、より安価な素材・繊維が求められました。 絹、麻などの高級素材の入手が困難になり、ポリエステルのような化学繊維が、着物にも使われるようになります。希少性は高くありませんから、買取価格は控えめです。 ●着物需要の急激な低下の影響を受けている 着物は洋服と比較すると、着こなすのが難しい服装。一人で着るのが難しく、普段着として着用するには適していません。 複雑なルールが多数あり、覚えるのも大変です。加えて、高級でフォーマルなシーンで使われる印象が定着してから、日常的に着物を着る機会が減少しました。 このような背景から「着物ばなれ」が加速し、需要が大きく低下しました。需要が低ければ、買取業者も高額の査定額をつける必要がなく、安い値段で買取するしかありません。 ●総合リサイクルショップで売却している 「着物が二束三文でしか売れない」イメージが定着したのは、総合買取業者の拡大もひとつの要因ではないでしょうか。 非常に利用しやすい総合買取業者は「何でも高く買取してくれる」と思いがちです。しかし、買取業者も商売で、利益を上げるために「需要が高いものを安く買取して、より高く販売する」ことを徹底しています。 着物は、国内需要が冷え込んでいますから、リサイクルショップのような場所で買取をおこなっても有効な販路がありません。 着物愛好家のもとに届けるような販路を持っている専門店でなければ、価格をつけるのは難しいでしょう。結果的に、二束三文の値段がついてしまいます。 ●保存状態がよくない 着物の買取価格は、保存状態に大きく影響を受けます。価値ある着物でも、カビや虫食いがあれば査定額は大きく減額されてしまいます。 高級な着物の素材は、天然素材。着物を傷めないためには、適切な保管が求められます。湿気に弱い着物は、たとう紙で包み、桐箱で保管する必要があります。また、定期的に虫干しもおこなわなくてはいけません。