茶道家だけがたどり着く内面の磨き方とは?なぜお稽古をするうちにマイナスの感情が消えるのか?心を解放してくれる「お茶」の効能について
世界的にも情勢が安定せず、厳しい環境に置かれている人や不安な心でいる人が多い中、あらためて日本文化の良さの学び直しを提唱するのは、茶道家の竹田理絵さん。茶室を開設して10ヵ国以上の国々で点前を披露し、日本の伝統文化を伝えてきた竹田さんいわく、「置かれた環境に左右されることなく、心穏やかに日々を過ごす」考え方が、茶道を通じて得ることができるとのこと。些細なことが気になり、ストレスをためないようにする心構えとは――。 【書影】竹田さんの著書『「お茶」を学ぶ人だけが知っている――凛として美しい内面の磨き方』 * * * * * * * ◆執着しない 皆さんも毎日の生活の中で、ひとつの小さな失敗や行き違いが気にかかり、なかなか頭の中から離れないことはありませんか。 悲しくなったり落ち込んだりして、ネガティブな感情に執着してしまうこともあるのではないでしょうか。 人間ですから、そういったこともあって当然です。執着とは、ひとつのことに心をとらわれて、そこから離れられない状態のことです。 執着を捨てることができれば、そのようなストレスから解放されるのはわかっていても、なかなか簡単にはいきません。けれども、それをずっと引きずることは良くありません。
◆生きやすくなる つきまとうマイナスの感情を手放す努力をすることで、心の余裕が生まれ、生きやすくなります。 お稽古にいらした生徒さんが、「会社で嫌なことがあり、1週間ずっと落ち込んでいましたが、無心でお点前を続けていたら、いつの間にかそのことから離れることができて、立ち直るきっかけになりました」と喜んでくださいました。 お茶のお稽古が、執着を手放すきっかけとなったようです。 きっかけは何でも良いのです。友人との楽しいおしゃべりでも、美味しいものを食べることでも。とにかく他のことに目をむけることが大切です。もちろん、自宅やオフィスでお茶を点てるのも良いでしょう。 ひとつのことに執着せず、さまざまなことを柔らかな気持ちで受け入れていくと、毎日が心穏やかで生きやすくなりますよ。
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