【甲子園】死闘の末に3回戦で敗退した早実 宇野主将は「早実の気迫、伝統は受け継げた」
負けていなかった早実の魂
試合後、和泉監督は「(主将の)宇野を中心によくやってくれました」と話し「魂がこもったストレートは、ここぞという場面では打たせてもらえなかった。打撃を含めて彼の魂のこもったプレーは素晴らしかった。最善の努力はしたが一歩、足りなかった」と、延長11回、149球完投した大社・馬庭をたたえた。 宇野は言った。 「9回の守り、10回の守りで、チーム力を見せられたのは良かった。早実の気迫、伝統は受け継げた。アルプスの大応援は感動し、自分たちの力になった。最高の応援でした」 早実の魂も負けていなかった。後輩に届いた。1年生・西村は姿勢を正してこう言った。 「冷静に落ち着いてプレーする中で、誰でもミスをしたりすることはある。早実の良さは、全員野球ができるところ。皆でカバーしていこう、と。大きな応援に助けられた、甲子園を感じられたのは、これからの経験になる」 1915年、第1回の地方大会から皆勤出場の大社と、第1回の全国大会出場校・早実による伝統校対決。開場100年の甲子園に、後世に語り継がれる名勝負が刻まれた。2時間40分。勝者と敗者に分かれるのは、あまりに酷だった。延長11回の死闘に、スタンドからは惜しみない拍手が送られた。 早実のベンチ入りは3年生9人。補助員、記録員を含めた3年生の全12人が財産を残した。2年生以下が、新チームへつないでいく。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール