【一粒万倍日】百貨店6社バイヤーに聞いたリアルな事情 最強開運日に財布の売り上げが3倍も
「百貨店として開運という不確かなものを接客に取り入れてよいのか迷ったが、お客様がそれらを受け入れていることが意外だった(松屋)」と、打ち出すのにやや抵抗があったとの声も印象的だ。
一粒万倍日に売れる財布は?:スピリチュアル観点から長財布人気も健在
では、実際に一粒万倍日に売れているのはどんな財布なのだろうか? キャッシュレス化の影響を受けて、ここ数年は、コンパクトなものやポシェット型のウオレットがトレンド。引き続き、メンズ、ウィメンズの売り場ともに小さなサイズの二つ折り、三つ折りウオレットが人気のようだ。
一方で、現金を多く持ち、スピリチュアル意識の高い顧客には、長財布の人気も健在だ。「長財布はお札を折らずに入れられる点が人気(そごう・西武)」「開運日に購入するお客様は、スピリチュアル意識が高いのか、お札を折らずに済むことに加え収納力やカラー、軽さ、薄さなど、 それぞれのこだわりをお持ちだと見受けられる(大丸松坂屋百貨店 婦人洋品)」との声もあった。6社に売れ筋ブランドを聞くと、ウィメンズは「コーチ(COACH)」や「フルラ(FURLA)」、「ボナベンチュラ(BONAVENTURA)」、「アンテプリマ(ANTEPRIMA)」、「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)」など、メンズは「キプリス(CYPRIS)」や「エッティンガー(ETTINGER)」、「カミーユ・フォルネ(CAMILLE FOURNET)」などのブランドの名前が挙がった。「大阪市北区にしかないブランドとして『ゲンテン・ヒロフ(GENTEN HIROFU)』も人気(大丸松坂屋百貨店 婦人雑貨)」。
メンズの売り場からの声で印象的だったのは、次のような声だ。「普段はあまり動きの乏しい、オーストリッチやクロコダイル革などの高級素材を使用した財布の購買が見受けられる(大丸松坂屋百貨店 紳士雑貨)」「開運日は奮発してエキゾチックレザーの財布をお求めになる方も多い(三越伊勢丹 伊勢丹新宿本店 メンズ館 メンズアクセサリー バイヤー 宮下創太以下、三越伊勢丹)」。開運日に背中を押される顧客も少なくないのだろう。