あがり症の人は「立ち方」を変えてみる…ハーバード大の研究で判明した緊張がスッと消える"魔法のポーズ"
■「英語でプレゼン」のほうがうまくいった 私は外資系企業に10年以上勤めた経験があります。その時思ったのは、プレゼンテーションを行う時、なぜか英語でプレゼンテーションした方が、日本語の場合より気分良くできたことです。 英語のレベルで言えば、こういったプレゼンテーションをなんとかこなせる程度のレベルで、決してネイティブ並みに流暢というわけではありませんでした。 それでもなぜか、英語でプレゼンテーションをするとうまくいった感覚が自分の中に常にあったのです。 そんな中、かつての同僚によく言われたのが、「日本語でのプレゼンテーションより、英語でのプレゼンテーションの方が堂々としてずっといい」ということでした。 ■「大袈裟なボディランゲージ」が効果的 思い返してみれば、英語でのプレゼンテーションをする時は、外国人の上司や同僚のやり方を真似て、かなり大袈裟なボディランゲージを使っていた覚えがあります。 両手を大きく開いたポーズや、自信ありげに聞き手の前に仁王立ちする感じなど、日本語の時とは明らかに違う姿勢や動きをしていました(英語という言語は、こういう大袈裟な身体の表現によく合うのです)。 後に、このカディ教授の話を聞いて、ずいぶんと合点がいった覚えがあります。それからというもの、日本語の時でも同じように、大きな動きやハイパワーポーズを取ることが、すっかり習慣になりました。 自分を堂々と見せるようにしようという目的よりも、脳内のテストステロン値を上げ、コルチゾール値を下げるためにやっています。 これが習慣になり始めてから、企業研修の講師をやっている最中などに、いわゆるゾーンとかフロー状態に入ることが多くなったような気がします。 そして、これらの状態に入ると、自分でも驚くほどの成果を残すことも実感しています。
■横柄で失礼な印象を与えかねない さて、ではこのハイパワーポーズ、どのように習慣化していくのがよいのか? 注意すべきことは、ハイパワーポーズは場合によっては、少し横柄で失礼な印象を与えかねないポーズでもあることです。 営業の商談の席で、あまり大げさにすることに抵抗を感じる方もいるかもしれません。 ですから、まずは、あなたの仕事やその他の活動で、緊張を強いられる場面や、プレッシャーの大きくかかる場面を前にした事前準備の習慣とすることをおすすめします。 ■「2分間のハイパワーポーズ」でプレッシャーを克服 仕事上の大事なお客さんとの商談の前、プレゼンテーションの前、面接の前など。また、人によっては、朝、会社に行って、上司や同僚にこちらから挨拶するのも、これに近いプレッシャーがある場面と感じる方もいるかもしれません。 まずは、これら1つ1つの場面に入る前に、2分間だけでいいので、このハイパワーポーズを取ってみる習慣を実践するのです。 社内や外出時に、2分という時間をまわりから見えない環境で取るのはなかなか大変なので、使っていない会議室や、近くのトイレがあなたの大事な準備ルームになるかもしれません。 ポーズもいろいろととってみて、自分が一番しっくりくるハイパワーポーズを見つけてみてもいいでしょう。 このわずか2分という時間の投資、試してみる価値は十分にありそうです。 ---------- 三浦 将(みうら・しょうま) チームダイナミクス代表取締役、人材育成・組織開発コンサルタント 大阪府立大学工学部卒業。英国立シェフィールド大学大学院修了(MSc:Master of Science理学修士)。早稲田大学オープンカレッジ講師。大手広告会社、リーバイス、ギャップなどの外資系企業を経て、「休み明けの朝、元気に仕事に向かう人をこの社会に増やす」を目的とし、人材育成・組織開発コンサルティングや企業研修プログラムを提供する株式会社チームダイナミクスを設立。アドラー心理学やコーチングの技術を駆使した手法で、リーダーシップと主体性のある人材の育成をサポートしている。「知識を能力に変える」研修プログラムの実績により、リピート率は、実に95%を超える。『相手を変える習慣力』『チームを変える習慣力』(クロスメディア・パブリッシング)、『リーダーのコミュニケーション習慣力』(三笠書房)他、著書は累計30万部を超える。 ----------
チームダイナミクス代表取締役、人材育成・組織開発コンサルタント 三浦 将