初の朝夕2部制! プロ注選手も要チェック‼ 2024年夏の高校野球がさらに面白くなる10の注目ポイント
■ポイント④ 低反発バット対応の打者に注目 今春、高校野球界で大きな転換点があった。金属バットの反発係数を抑えた「低反発バット」が導入されたことだ。春のセンバツでは大会31試合で出た本塁打数がわずか3本(うちランニング本塁打1本)。23年の12本、22年の18本には遠く及ばず、外野手が前寄りに守るチームが続出した。 だが、高校生は慣れるのも早い。今は低反発バットを振りこなす選手が目立っている。青森山田の主砲・原田純希は今夏の青森大会準々決勝・八戸学院光星との大一番で2打席連続本塁打をマーク。170㎝、97㎏の体形は、不朽の名作『ドカベン』(原作・水島新司)の主人公・山田太郎を彷彿とさせる。 早稲田実(西東京)の宇野真仁朗(うの・しんじろう)は高校通算64本塁打を誇る今大会の注目スラッガー。特筆すべきは高校生ながら木製バットを使いこなしていること。今夏の西東京大会でも2本塁打を放っている。 最近は宇野に限らず、「低反発より木製のほうが振りやすい」と語る高校球児が増えている。今大会は何人の選手が木製バットで打席に入るかに着目するのも面白いだろう。 ■ポイント⑤ 新旧の斎藤佑樹に注目 一昨年は東北勢として初の全国制覇、昨年は全国準優勝と強烈なインパクトを残した仙台育英(宮城)。だが、今夏は身長193㎝の剛球右腕・山口廉王を擁しながら宮城大会決勝で敗れている。 王者を倒したのは、春夏通じて甲子園初出場となる聖和学園(宮城)。仙台育英戦で先発登板したのは背番号10の斎藤佑樹(さいとう・ゆうき)。2006年夏の甲子園で"ハンカチ王子"として脚光を浴びた、斎藤佑樹(当時・早稲田実)と同姓同名の右投手だった。といっても、聖和学園の斎藤は右のサイドハンドで打たせて取る投球を持ち味にする。 決勝戦の試合後には報道陣の要望を受けてハンカチで顔を拭く珍光景も見られた。"本家"である斎藤佑樹は『熱闘甲子園』(ABCテレビ・テレビ朝日系)のキャスターを務めるだけに甲子園で"新旧ハンカチ王子"の対面が実現するのか興味深い。 ■ポイント⑥ "金農旋風"再び、吉田弟に注目 2018年の夏の甲子園は"金農旋風"が吹き荒れた。エース右腕・吉田輝星(現・オリックス)が獅子奮迅の投球を見せ、下馬評ではノーマークだった金足農(秋田)が決勝戦まで進出したのだ。あれから6年、吉田の弟である吉田大輝(よしだ・だいき)が2年生ながらエースとなり、今夏の甲子園出場を決めている。 現時点で最速145キロに達したストレートと「兄以上」と評判のスライダーを武器にする。厚みのある下半身と負けず嫌いな性格は兄譲りだ。 6年前の甲子園では、片膝を突いてさやから刀を出すようなしぐさをする「侍ポーズ」が話題になった。大輝も秋田大会でセンターの髙橋佳佑(たかはし・けいすけ)と示し合わせて"シャキーン"と侍ポーズを決めている。なお、髙橋もまた2018年甲子園準優勝メンバーの髙橋佑輔の弟であり、そのドラマ性も驚異的だ。