日本好きラトビア人が来日のたび感動する3つのこと。寿司、旅館……日本人の「おもてなし」も!
これは……外食している場合じゃない! 品数が多く、仲居さんが一品ずつ説明してくださったのですが、説明を聞くとほとんどのお料理は地元で育てられた素材を使い、その季節に最も美味しいものを提供してくださっているらしい。 彩りがキレイ! 量がすごくて全部食べられる自信がない(結局全部食べた)!
どうなってるの! どんだけ料理出してくるの! 意味わからん! もう二度と旅館へ行く! お腹もいっぱいになり、部屋に戻ってゴロゴロしようと障子をあけると……布団が既に敷かれてます!! どこかの親切な誰かが、私が美味しい夕食に夢中になっているタイミングを見計らって、部屋に入って布団を敷いて去ったのだ。 一体何が起きてるんだ……と思いながら満腹の私は布団でぐっすり寝ました。
感動③ どこに行ってもジワジワと感じる「おもてなし」
公共の場所では騒がない、ゴミ箱が少ないのにとてもキレイ、贈りものの包装の技術、お土産の文化、時間を守ること……。 これらはやろうと思えばどの国の人でもできそうなことですが、非常に日本らしい文化だと思います。 ある日、「アルトゥル、私の家においで。おもてなし料理を作るよ!」と日本人の友達の実家に誘ってもらいました。中華料理やフランス料理は聞いたことがあったけど「おもてなし料理」とはどんなジャンルなのかわからなくて、ワクワクしながら訪問。 たくさんの料理を用意してくれて、本当に感謝がいっぱいです。ただ「おもてなし」とはいったいなんなのか? 私の中で謎が解けない。
私 「おもてなし」ってなに? サービス精神がすごいってこと? 友人 うーん、そうだけど違うなー。 私 ホスピタリティ的なもの? 友人 まぁ、そうね。でも……。 私 でも……? 友人 いや、なんといえばいいのか……。 こんな感じで最後まではっきりした答えはわかりませんでした。
おもてなしとは、日本を日本らしくしてくれる文化
一体全体、おもてなしと何なのか? 「おもてなし」は、「もてなし」に丁寧語「お」を付けた言葉。その語源は「モノを持って成し遂げる」といわれています。また、「おもてなし」のもうひとつの語源は「表裏なし」、つまり、表裏のない「心」でお客様をお迎えすることともいわれています。 「おもてなし」とは何かを調べた際に、サービスやホスピタリティとは違う点が複数ありましたが、なかでも印象に残っているのは、「おもてなし」はどの人に対しても同じことをするのではなく“どうしたらその人が喜んでくれるのか”を考えた、個人に対する最上級の心遣いだということです。
日本語にしかない「おもてなし」という言葉の意味を理解したとき、日本人が昔から大切にしている「和」という精神につながると感じました。 日本では「おもてなし」精神が普段の生活、街中に溢れかえっています。だからこそ日本を訪れた多くの外国人は、自国との違いから感動し、日本へ憧れの気持ちを抱き続けるのだろうと思います。 日本に行くたびに感動してしまうことが数え切れないほど多いですが、私はこれからもずっと日本の「おもてなし」に出合い、日本を推し続けるんだろうな。 アルトゥル=写真・文 池田裕美=編集
OCEANS編集部