画期的な自閉症チェックアプリを開発、診断が遅れがちな問題解決への助けとなるか
医療の現場で利用できるようになるには
全米のかかりつけ医がこのアプリを利用できるようになるには、さらなる研究が必要だ。 米カリフォルニア大学ロサンゼルス校の医師・研究者で、自閉症を専門とするダニエル・ゲシュウィンド氏は、「次のステップは、アプリの一般化可能性をより広く理解することです」と言う。「アプリが学習したサンプル以外の子どもたちについても正しく予測できるのか、独立の集団で検証するのです」。なお、ゲシュウィンド氏は今回の研究には参加していない。 ドーソン氏らは現在この研究を進めており、SenseToKnowが自閉症を正確に予測できるかどうか、より大規模で多様な患者を対象に検証を行っている。アプリの精度は概ね良好だったが、その結果はすべての患者グループで一様というわけではなかった。 「黒人の子どもたちについて、感度は非常に良かったのですが、特異度はあまり良くなかったのです」とマンデル氏は言う。 つまり、偽陽性の割合が高いということだ。最初の研究に参加した黒人の子どもの数が比較的少なかったことを考えると、この精度は今後の検証によって改善する可能性が高い。 ロビンズ氏は、「次は検診で5000人か1万人の子どもをテストして、結果を見ることになります」と言う。
文=Rachel Fairbank/訳=三枝小夜子