釜石・野田武則市長の会見(全文3/完・質疑応答)復興の状況について
東日本大震災から5年を迎えることを受け、岩手県・釜石市の野田武則市長が1日午後2時から、東京の外国特派員協会で記者会見を行った。同市は震災の津波で壊滅的な被害を受けたが、現在の市の復興状況などについて語った。
建築家・伊藤豊雄氏は復興アドバイザーとして協力してもらっている
通訳:彼のデザインなどはいま、釜石では採択されてるところはありますでしょうか。 野田:伊東豊雄先生は日本の著明な建築家でございますけども、震災直後から釜石というか被災地のために、自分の能力を最大限、協力したいというふうなこともございまして、われわれとしてはぜひ、復興公営住宅とかさまざまな建設が始まりますから、ぜひ先生のご指導をお願いしたいということで、釜石市の復興のアドバイザーにお願いをさせていただきました。当初は復興公営住宅の建設について、いろいろとご教授をいただきました。 釜石だけではなくて陸前高田市とか、たぶん大船渡市とか、各被災地にもずいぶん協力していただいていることと思いますが、釜石はいずれそのアドバイザーとしてご教授をいただきました。1つは復興公営住宅の第1号の復興公営住宅の建設に当たりまして、設計のアドバイスをいただいたんです。さっきご指摘がありましたが、日本古来の民家の合掌造りのようなものも、いろいろとアイデアもいただいたんですが、残念ながら国のほうの予算との関係で、それは実現できませんでした。アイデアはいっぱい、こういう復興公営住宅だったら被災された皆さんが喜んで住むのではないかとか、将来そういう新しい家屋が立ち並んだ港町としての風情が出る、魅力のあるまちづくりにすべきだとか、いろんなアイデアをいただいたわけですけど、残念ながら実現はできませんでした。 ただ、先生のその考え方とか、あるいはまた先生との関連の深い方々が、ずいぶん釜石のアドバイザーとして協力をしていただいておりまして、現在、釜石がいろいろと建設をしているさまざまな建築については、いまでも先生からいろいろとご教授をいただいているということでございます。