釜石・野田武則市長の会見(全文3/完・質疑応答)復興の状況について
原発を防波堤の代わりに建設してはどうか?
通訳:これが最後の質問となります。 記者8:The last question is half serious, half joke. いま、原発の話が出たんで、これはまじに、私、真剣に考えてるんですけども、実は言うと原発で福島被災しましたけど、原発があって、そこに逃げ込んだから津波から助かった人もいるんですね。 それで私は思ったんですが、日本の海というのは非常に景観が良くて、そこに何十メーターの防波堤をずっと造ったら景観が台無しです。ところが、原発でも造れば、なんだあれ、景観が非常に悪いと、あんなもの建ててっていっても、原発だったらしょうがないってことになるんですね。ですから、これはちょっとどうか分かりませんが、私は逆に原発なんかを沿岸に、海岸に造って、なんかのときは30メーターぐらいの防波堤があるところに逃げ込むようにしたらいいんじゃないかと思うんですが、どうお考えでしょうか。 野田:原発の問題については先ほどもお話しさせていただきましたとおり、やはり津波とか、そういった災害が想定された場所に造るべきではないわけでして、これはまず、原則そうだと思います。ただ、現在の科学の中で、きちんとした基準の中で安全がかなり担保されるというのであれば、それは不可能とは言いませんが、できるだけそういった場所に造る必要はないだろうと思います。で、できれば防潮堤とか、防波堤もないに越したことはないわけでして、美しい海をそのまま自然に楽しみながら生活をしていくということが一番の理想だと思います。 ただ、先ほど申し上げましたとおり、われわれ三陸のほうは明治29年と昭和8年の経験を踏まえて、防潮堤と共に生活をするという選択をした地区なんですね。ですから、そういうところは、これ、やっぱりやむを得ないと思います。ただ、先ほど話がありました、リスクはあります。海が見えませんから、海がこんなに近かったのかという、その認識を忘れてしまうというリスク、それからいざというときに大丈夫だろうという安心感、これが危険だというリスク。これは別な形できちんとわれわれとしても、次の世代に伝承していう努力はしていくという。 何もなければ何もないわけですが、あることによる、やらなければならない努力が増えるということではありますが、われわれはその選択を選んだということでございます。まあ、ないほうがいいと思いますけどもね。 通訳:本日はありがとうございました。