竹田麗央が初の年間女王に 予選落ちでコース不在も異例のリモートで会見「こういう形になって申し訳ない」苦笑いで“謝罪”
「女子ゴルフ・伊藤園レディース・最終日」(10日、グレートアイランドC=パー72) 竹田麗央(21)=ヤマエグループHD=が初の年間女王に輝いた。今週、予選落ちしたものの、ポイントランキング2位の山下美夢有が4位に終わり、ポイント差は715・12点差に。残り2戦で獲得できる最大ポイントが700点のため、女王が確定した。最終日、自身はコースに不在で異例のリモート会見が行われたが、戴冠の感慨に浸った。4位から出た山内日菜子(28)=ライク=が67をマークし、通算14アンダーで昨年3月のアクサ・レディース以来の通算2勝目を飾った。 圧倒的な強さでつかんだ堂々の年間女王のタイトル。今季ツアーNo.1の称号を射止めた竹田は「シーズンが始まった時は、自分が年間女王になると思っていなかったので、すごくびっくり。自分がなったんだ、と思うとすごくうれしい」と喜んだ。 リモート会見の場所は熊本の自宅。予選落ちして、最終日には帰郷していた。自宅の部屋の片付けや荷物の整理を行いながら大会の行方を待っていたところに、吉報が転がり込んだ。記者会見が異例のリモート形式となり、画面越しの報道陣に「こういう形になって申し訳ないんですけど、予選通過できなくてすみません」と苦笑いで謝った。 「今年の目標が初優勝だった」という21歳が伝説のシーズンを送った。地元開催の4月に待望のツアー初優勝を飾ると、翌週も勝利して史上4人目の初Vから2週連続で頂点に立った。史上3人目の「日本」がつくメジャー連勝や年間8勝、年間獲得賞金は歴代最多更新間近と、次々に記録を打ち立てた。 昨季から大器の片りんをのぞかせていたが、プロ3年目の飛躍の柱となったのは、ショートゲームの上達と初優勝で生まれた自信だ。昨年まで苦しんでいたリカバリー率や平均パット数は今季、軒並み上昇。「簡単にボギーにならずにパーを拾えたことが一番の要因」と、スコアメークの安定感が増して一皮むけた。 前週の米女子ツアー優勝で、来季から米国が主戦場になる。だが、その前に視線は国内の残り2試合へ。「今週予選落ちしたことがすごく悔しかったので、来週、再来週の2試合は上位で戦えるように」。一つでも勝ち星を重ねて、世界に進出する。 ◆竹田麗央(たけだ・りお)2003年4月2日、熊本県合志市出身。プロの母・哲子(さとこ)さんの影響で、6歳のときにゴルフを始めた。21年11月にプロテスト合格。今季4月に行われたKKT杯バンテリン・レディースでツアー初優勝を飾った。叔母は1993、94年の賞金女王・平瀬真由美。趣味は野球観戦で、巨人・坂本勇人、オリックス・山下舜平大のファン。得意クラブは1W。166センチ、66キロ。