「神様の作ったゲーム」を楽しもう!銀河のグループ分けや小惑星探し。ネットを通じて盛り上がる市民天文学
宇宙は謎だらけだ。世界中の研究者がその答えを求めて日々研究に取り組んでいるが、無数に散らばる銀河や星々を見つけて分類するだけでも、とても手が足りない。そこで、皆さんの出番だ。 【写真】「日本はUFOのホットスポットだ」アメリカ国防総省がまじめに指摘 日本に遭遇時の「対処方針」が存在するなど、驚くべき実態が
高性能な望遠鏡が集めた膨大なデータを手がかりに、銀河を形ごとにグループ分けしたり、太陽系を巡る小惑星を見つけたり。インターネットを通じて多くの一般市民が宇宙の謎解きに挑む「市民天文学」が盛り上がっている。何が答えなのかまだ誰も知らない、まさに「神様が作ったゲーム」。挑戦の先に待っているのは、歴史に残る発見かもしれない。(共同通信=岩村賢人) ▽その銀河、楕円?渦巻き? 自宅でパソコンを開いてホームページにアクセスすると、目の前の画面には宇宙空間と無数の天体が広がっていた。ある部分をぐっと拡大してみると、楕円のような形をした天体に目が止まる。銀河だ。画面の下に「渦巻銀河」「楕円銀河」「どちらでもない」という選択肢が出ている。これは・・・「楕円」だ。選択すると、次は「衝突している」「衝突していない」「どちらでもない」という選択肢。この銀河はすぐ近くに小さな別の銀河がある。もしかして、これから衝突しようとしている?「衝突している」を選ぼう。そして、さらに細かい選択肢の登場だ。「リング」「おうぎ」「しっぽ」「ゆがみ」。リングのようだが、おうぎのようにも見える。うーん、どっちだ。とりあえず「リング」と「おうぎ」の両方を選んだ。
記者が挑戦していたのは、国立天文台などのチームが進めているプロジェクト「GALAXY CRUISE(ギャラクシークルーズ)」だ。宇宙に無数にある銀河を形の特徴に着目して分類するのが主なミッションとなる。 手がかりとなる銀河の画像は、米ハワイ島の、すばる望遠鏡に搭載された高性能カメラで撮影したデータ。銀河の形は楕円形や渦巻き形などに分類される。銀河同士が衝突、合体して多様性を生み出していると考えられているが、解像度の低い画像だと合体中の銀河を見つけるのは難しく、合体中に何が起きているのか詳細は分からなかったが、広い視野を鮮明に撮影できるすばる望遠鏡によって銀河の形が見分けられるようになった。 しかし、研究者だけでは膨大な数の銀河を分類しきれない。それなら、大勢の力を借りたらどうだろうか。そう考えたチームのメンバーは、2019年に研究者と市民が協力して「宇宙の旅」に出るプロジェクト「GALAXY CRUISE」を立ち上げた。