他人の目で自分を見て、己を知る。
自分を完全に客観視できれば、最適なスタイルを見つけられる。言うのは簡単だけれど、やってみると難しい。事実、池波正太郎センセイも「訓練なしでただやってるだけじゃだめ」と語る。必要なのは「映画を観るとか、小説を読むとか、いろんなものを若いうちに摂取」すること。そうやって他人の目という感覚を養うのだとか。 優等生を目指す必要はないけれど、意識するところから、大人への道は始まる。
なるほど。教養は他人の目を育てるものなんだ。でもちょっと時間がかかりそうだから、ここは一計。プロの目を借りてみたい。
例えばテーラーでスーツを誂える。そうすれば、全身の寸法も詳しくわかるし、自分の雰囲気に合った色や生地感も教えてくれるだろう。あるいはバーバーで「おまかせ」と言ってみて、本当に似合う髪型を探る。「仕立て屋と床屋は一生変えるな」という格言があるらしいけど、昔から男はそうやって他人の目を養っていたんだろうな。ポパイは自分を客観的に見つめ直す、6つの方法を考えてみた。
1. オーダースーツで自分のサイズを知る。
スーツを誂える。これぞ大人の男たるもの。お金も時間もかかるけれど、それだけの価値がある。長く愛用できる自分だけの一着を作りながら、体の寸法や、自分に合った生地や色、シルエットを知る。さらに池波正太郎を愛する『テーラーケイド』の山本祐平さんならば、もっといろんなことを教えてくれそうだ。「テーラーがスーツを仕立てるときに考えるのは、サイズや生地のことだけではありません。その人がどんな仕事をして、どんなシーンでスーツを必要として、どんな年の取り方をしてきたか。その人の生き方に寄り添ったスーツを作るのが、テーラーの仕事」。オーダースーツは男の生き方や理想をまるごと反映するものなのだ。だからこそ、そのスーツを身にまとうと「景色に馴染むように自然で、なおかつチャーミング」になるという。だからテーラーでは、照れることなく“なりたい大人”についても話すことだ。
インフォメーション
テーラーケイド ◯東京都渋谷区宇田川町42-15 中島ビル2F ☎03・6685・1101