他人の目で自分を見て、己を知る。
2. バーバーに行き、「おまかせ」でカットする。
髪型を定めるのは難しい。憧れや理想があっても、似合うかどうかは別。だからこそプロの目を借りる。「おまかせ」と伝えて、すべてを委ねてみてはどうか。「そうですね『おまかせで』って言われても、勝手に切ったりはしません(笑)。話しながらお客さんの理想を探り、似合うスタイルをつくっていきます」。こう話すのは、およそ30年の歴史がある下北沢の理髪店『バッドナイス』の新井錠二さん。頭の中で何となくあったイメージを、会話によって引き出していく。「その会話術こそが、理容師の腕前だと思いますね。大切なのはその人の性格や生活を知ること。面倒くさがりなら、スタイリングをしなくてもある程度キマるようにしたり、忙しい人なら頻繁に来なくてもまとまるようにしたり。理容師もテーラーと一緒で、個人オーダーを受けているので」。仕上がった髪型はきっと発見に近い。
インフォメーション
バッドナイス ◯東京都世田谷区北沢2-37-16 林ビル1F ☎03・3465・5004
3. 定期的にプールで泳ぐ。
水泳でバランスよく体を鍛えれば、正しい姿勢につながる。そして25mを何秒で泳げるかを記録しておくと、自分の体力を数値として把握できる。水着になった体が他人の目にさらされることも大きい。鏡に映った自分の肉体から目をそらしてはいけない。加えて「競泳は自己との戦い」というように、ひとりで黙々と泳げば、自身の内面と向き合うことにもなる。つまりプールは自分の外も内も見つめる場所なのだ。己を知るうえで、これほど最適な場所はない。
4. 常に靴の手入れをする。
『男の作法』では、靴は女房が磨くのが当然で、それを嫌がり亭主を追い出すような女房なんて「さっさと別れちゃったほうがいい」と書かれているけど、それはそれ。シティボーイは自分で手入れをしよう。靴がピカピカになって気分がいいだけじゃない。チェックすべきは靴底だ。どんなふうに削れているかを見れば、自分自身の歩き方にも察しがつく。いびつな削れ方をしていたら、姿勢の悪い歩き方をしている証拠。靴底は正しい姿勢のための他人の目なのだ。