カンタス、717の運航終了 23年に幕
カンタス航空(QFA/QF)を中核とするカンタスグループは、ボーイング717-200(旧マクドネル・ダグラスMD-95)型機の運航を現地時間10月26日に終えた。グループは717を20機保有し、23年の歴史に幕を下ろした。シドニーやキャンベラといった主要都市を結ぶだけでなく、地方空港や西部の発展を支えてきた。 【写真】ジェットスター航空時代の717 カンタスの717は、グループで国内地方路線を運航するカンタスリンク(QLK)が運航。最終日の26日は、最後の1機となった717-200(登録記号VH-YQS)を合わせて5便に投入した。「グレート・オトウェイ国立公園」と名づけられた機体で、1万5000回以上のフライト、1万7000時間以上の飛行時間となり、11年近くにわたり100万人以上の乗客を運んだ。 26日はシドニー-キャンベラ線とシドニー-ローンセストン線を1往復ずつ運航。最終便はシドニー発キャンベラ行きQF1511便となった。運航終了後はキャンベラで数週間過ごし、11月に退役する。 カンタスは2001年に豪インパルス航空を買収し、同社が保有していてた717を導入。カンタスリンクが運航し、グループLCCのジェットスター航空(JST/JQ)が就航した2004年5月からは、14機がジェットスターの機材として豪州各地を飛んだ。その後、カンタスリンクへ戻った。 717は、100席程度の小型機ながら多頻度の短中距離運航が可能で、T字型の尾翼を特徴とし、乗客や乗員に長年愛されてきた。1990年代初頭に開発され、元々マクドネル・ダグラスMD-95として設計されたものの、ボーイングによる同社の買収後、717として受注が続けられた。しかし、ボーイングのラインナップでは、737NG(次世代737)で最も小さい737-600(最大1クラス132席)と競合することから、販売が打ち切られた。 カンタスグループは717の後継機に、エアバスA220-300型機を選定。29機導入する計画で、現在は4機が導入済み。座席数は2クラス137席で、ビジネス10席、エコノミー127席となる。
Yusuke KOHASE