サードパーティCookie廃止、アドテク7社の率直な感想
あらゆる危機にはチャンスが眠る
Googleはデジタル広告費の巨大なシェアを握るため、注目を集めているが、Cookieなきオンライン広告はAppleのSafariなどですでに実用化されて久しい。これらは新たなデータ収集手法や戦略の試金石となった。 キュレーションは、同意に基づくデータの効果を最大化するとともに、プライベートマーケットプレイス(PMP)を通じてオーディエンスシグナルを送信することで漏洩リスクを抑え、広告主と顧客の両方に恩恵をもたらす、よく練られた方法だ。 サプライサイドへのデータの適用は、スケール化および広告主が求める顧客層の獲得を促進し、さまざまな方法論に基づくデータプロバイダーと識別子を超えて、オーディエンスへの最適経路を発見することを容易にするだろう。──サイモン・リード氏、アドテク企業マルチローカル(Multilocal)最高売上責任者
未来に向けた実践主義を
Eメールやその他のファーストパーティの代替手法は有望であり、ぜひ活用すべきだ。短期的には、こうした識別子をスケールできる広告主だけが恩恵を得る。この先、こうした形式の識別子が、データの応用に関して精査されることは避けられない。 だが、広告主は抜け目なく立ち回るために、さまざまな識別子やターゲティング手法を活用すべきであり、長期的にはブラックボックスやPII(個人情報)に頼らない広告主だけが生き残るだろう。個人データに頼らなくても関連性の高い広告は可能であり、Cookieの死が目前に迫るなか、コンテクストなどプライバシーを重視したターゲティング手法はますます注目を集め、利用が始まっている。──ピート・ウォレス氏、コンテクスト情報企業ガムガム(GumGum)EMEA(欧州・中東・アフリカ)地域ゼネラルマネージャー
Eメール活用の基礎
Eメールアドレスはインターネットのパスポートであり、デバイスやプラットフォームを問わず、ブランドがオンラインでユーザーに接触する手段だ。Cookieやデバイスではなく、個人に確実に紐づいている。Eメールはオンラインとオフラインで利用できる識別子の主役となりつつある。リード(見込み客)生成、データ、インサイトをもたらす強力なファーストパーティツールであり、Cookieを利用することなくセグメンテーションとターゲティングを実現すると同時に、プライバシーと同意を事前に組み込む。 こうした理由から、Eメールは今日のマルチチャネルマーケティングの基礎とみなすことが できる。Cookieの終わりの始まりは、マーケターにとってまったく恐れるべき事態ではないのだ。──スザンナ・チャップリン氏、Eメールベースのアドテク企業ESBコネクト(esbconnect)CEO [原文:‘Dragging on for too long’: Ad execs sound off on the beginning of the end of third-party cookies in Google’s Chrome] Seb Joseph(翻訳:的場知之/ガリレオ、編集:分島翔平)
編集部