あまたの数学者が挑戦した「素数」の個数の求め方…恐ろしく悠長に思えるけれど、じつは効率の良い、2200年前の「ふるいにかける」方法
なるほど! そうだったのか、数学。 数学を納得して理解するには、小学校から高校まで学ぶ算数・数学のうち、とくに押さえておくべき「重要キーワード」を一つひとつ理解して、体系的・構造的に学ぶことが大切です。 【画像】ディオファントス方程式に名を残す謎の数学者…後の数学者に与えたすごい影響 いまや、数学は、受験対策などの交換価値や、便利な道具として使用価値の有無ばかりが強調されるようになってしまいましたが、本来は、生活経験や体験によって得られた知識をベースにした素晴らしいな思想体系です。そして、その思想は、小学校の算数という初歩の段階から、しっかり流れ続けているのです。 学生のころに新鮮な気持ちで学んだ算数や数学を、いまふたたび深めることこそ、数学の本質に迫る「近道」といえるでしょう。 好評の『なっとくする数学記号』(ブルーバックス)の著者にして、数学教育を知り尽くした専門家による「学びなおし」の決定版『学びなおし! 数学 代数・解析編』。そこで取り上げた数学を理解する29のキーワードから、さらに厳選したトピックをご紹介していきます。 *本記事は、『学びなおし! 数学 代数・解析編 なっとくする数学キーワード29』(ブルーバックス)を再構成・再編集したものです。
侮れない…小石を並べて、真理を求める
それまで、実用上どうしても必要であったために行われていた「数の探究」ですが、実用性とは別に「数そのものを探究」する人々が現れました。それはピタゴラスの定理で知られているピタゴラス学派の人たちでした。 ピタゴラスは紀元前572年頃に古代ギリシャのサモス島で生まれてミレトスのターレスに学び、ターレスの勧めで数学と天文学が盛んであったエジプトに遊学したといわれています。 帰国後にイタリアのクロトンに、算術、幾何学、天文学、音楽の4科を学ぶ学校を作ったのです。その学校で学ぶ人たちはピタゴラス学派と呼ばれていました。彼らは、「数学の諸原理があらゆる事物の諸原理でなければならないと考えた」とのことで、その哲学は「万物は数である」というものでした。 正五角形にちなむ星形の徽章(きしょう。ペンタグラム)がそのシンボルだったようです。 彼らは小石を三角形や四角形に並べて(これを図形数ともいう)、自然数に関するいろいろな性質を導き出しました。 奇数や偶数という分類も彼らによってなされていたようです。
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